防虫剤でナラ枯を防げる
公開日:2022年03月18日 最終更新日:2022年07月14日
詳細
白いのは幼虫のかたまり
幼虫期の最後の齢は終齢と呼ぶが、写真の齢は3齢程度と思われ、虫眼鏡でも確認出来ないほど小さい。
写真は特別なレンズを用いて撮影したもので、カシナガの幼虫は死滅していることが確認できる。
カシナガは樹の中で共生菌を培養して餌とするアンブロシアビートル(写真の粘着物)を培養している。
そして、幼虫は4月初頭頃蛹となり、新成虫は5月下旬頃羽化脱出して、生立木に穿入。孔道内に雌雄で住んで卵を産み子を育てる。最初の子は急速に成長し、ワーカーとして弟妹(卵と幼虫)の世話にあたるという。幼虫は越冬後に蛹化。成虫は少なくとも5月末迄孔道内で生存している。
写真は「防虫剤」の気化ガスを用いて、カシナガ穿入孔奥深くに潜むカシナガをくん蒸駆除したもので、「防虫剤」でこれだけのカシナガを駆除したのは初めてと思われる。
防虫剤をカシナガ駆除に用いることはメーカーの承認を得て実施した。
防虫剤を樹に取り付け、その後にその上からラップしていることから、匂いや薬害は一切外部に出ないことから、道路脇や公園で用いたとしても、全く問題はない。
カシナガは何故爆発的に増えたか
一般的に冬場カシナガは越冬している。しかしこの冬場にカシナガを駆除できる対策方法はなかった。
例えば
ウッドキングDASH処理は、
1.注入時期
ナラ類着葉期(開葉時期:5~6月、落葉前:9月~10月、盛夏は避ける)
等、冬場にカシナガを駆除できる手法はないが、本件防虫剤によるカシナガ駆除は一年中対策ができる。
尚、防虫剤は1年間の効果があるので一年中何時対策したとしても効果が発揮される。
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防虫剤による生立ち木対策
本件対策樹木は昨年粘着剤「カシナガブロック」で対策したが、カシナガブロックは雨に弱く、粘着剤が雨に溶けて流れた為効果が半減、対策後もカシナガの穿入が確認されていた。 |
防虫剤によるカシナガ成虫駆除 |
防虫剤による生立木対策
防虫剤の気化ガスは比重が重く根株部から駆除されて行く。 |
こめつぶ状のカシナガの幼虫が多数確認できる。 |
カシナガ穿入生存木3本対策 |
防虫剤による対策状況 |