ゴマダラカミキリによる枯死確認
公開日:2021年10月03日 最終更新日:2022年07月14日
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「桜」枯死 緊急対策が必要
日本を代表するサクラがゴマダラカマキリにより枯死していました。日本各地で道路沿いや河川敷、公園などに桜が密集し植栽されておりますが、この密集が感染に弱く、又、多くの桜の木がソメイヨシノと呼ばれる接ぎ木によって増やされたクローン品種で、病気や害虫が蔓延したら簡単に全滅してしまうリスクを背負っています。
ゴマダラカミキリの幼虫が幹の内部を食い荒らし枯死させた(左写真)。この1本を見逃すことにより、数年後の被害が急増するのではないかと危惧します。
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ゴマダラカミキリ
ゴマダラカミキリは食樹が非常に幅広いのが特徴で、ミカン類、ヤナギ、クリ、クワ、イチジク、プラタナス、シラカバなど多岐にわたる。
交尾を終えたメスは生木の樹皮を大顎で傷つけ、その箇所に産卵する。主に根元付近の樹皮に産卵することが多い幼虫は生木の材部を食害し成長する。幼虫は成長すると幹内部を降下し 主として根株の内部を食い荒らす。孵化から羽化までには1年-2年を要する。幼虫が侵入した樹木は幼虫の活動によって坑道が樹皮に達し穿孔され、木屑や樹液が出るようになる。蛹を経て羽化した成虫は木の幹に円形の穴を穿孔し、野外に脱出する。時に産卵痕や脱出痕からは樹液が染み出すことがあり、カナブンやクワガタムシなどの昆虫が集まる様子も観察される。
幼虫が材部を掘り進むと直径1cm-2cmほどの坑道ができ、木の強度が弱くなって折れやすくなる他、ダメージを負った樹木は成長不良に陥り、枯死することもある。果樹や街路樹に被害が出ることもあり、特にミカン農家ではゴマダラカミキリは重要な害虫の一つとして警戒されている。 |
谷戸山公園枯死桜
幹に10mm程度の多数孔が確認された。
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谷戸山公園枯死桜
成虫は幹の皮下に産卵し、蛹に成長したカマキリは幹内に穿孔し、飛翔するので、幹内の蛹の時点で駆除する必要がある。 |
孔は約9mm 樹被との間に空洞が見られる。 |
早期発見早期対策が必要です
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辺材が全て食い荒らされた
①白い個所が心材(幹の骨)
②食い荒らされている個所が辺材(水分を吸い上げる為の通路)
②辺材の機能が無くなり枯れてしまった。 |