ベッコウタケ子実体胞子飛散対策の根拠
公開日:2021年01月27日 最終更新日:2022年07月14日
詳細
令和3年度はベッコウタケ子実体駆除に力を入れる、その根拠は下記東京大学の研究結果による。
東京大学大学院新領域創成科学研究科
教授 福田 健二
腐朽病害対策の確立に関する研究によると、感染可能な胞子の飛散は空間的距離と遺伝的類似性の相関から,少なくとも 3 0 0 m の範囲まで行われていることが推測された.これらのことより,ベッコウタケ子実体から 3 0 0 m 以内にある樹木については,剪定などによるストレスを与えないことや,腐朽菌の侵入口となる根の露出や損傷を避けることなど,特に注意した感染のリスクマネージメントが望ましい.
また,「感染源となる胞子を生産する前
に子実体(ベッコウタケ・コフキタケ等)
を除去することが望ましい」
としている。
桜を初めとする樹木への腐朽菌感染を防ぐにはベッコウタケ・コフキタケ等の子実体を駆除することが必要であることを示している。 |
緑ヶ丘周辺だけでベッコウタケに27本中12本感染(約50%)、その内10本伐採した。
その感染元がこの根株と思われ、一昨年倒木している。
伐採後もベッコウタケが異常に増え巨大化して周辺の桜に胞子をばら撒き感染させたと思われる。 |
健全木への感染は胞子からだけではない
根系の接触部からの感染
桜の連作(汚染された土壌に同じ桜を植える)の場合も同様の根系から感染し、腐朽する。 |
根系の接触部感染原因の太根
内部は完全に空洞になっている。
ここから右の健全木2本に地中感染したと思われる。 |
菌糸束の駆除
ツルハシで腐朽部を破壊し下記の砂袋に入れ焼却処分をした。 |
ベッコウタケ及び菌糸束駆除 |
菌糸束腐朽部を破壊 |
砂袋で9個出た。 |
胞子及び菌糸による感染ルート
腐朽病害の感染様式
①枯れ枝からの感染
⓶剪定痕からの感染
⓷外傷からの感染
④菌糸束からの感染
⑤根の外傷からの感染
⑥根系の接触部からの感染
他に、菌糸で汚染された土壌からの感染がある。
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ベッコウタケが生えている幹は腐朽している。
中央褐色木くずが幹内部から出てきた腐朽粉。 |
夏のベッコウタケ |
冬のベッコウタケ
ベッコウタケは一年生で翌年に左のベッコウ色の溶菌が出て、その溶菌が笠状に巨大化する。 |
ベッコウタケが生えた時点で、その樹木は瀕死の重傷状態で回復不能となります。
少なくとも他の健全木に感染させないようにベッコウタケを駆除しなければならない。
又、瀕死の重傷状態の木の余命を確認し、その状態に応じて伐採等の対策をとらないと、倒木事故に繋がります。
皆様にお願い
ベッコウタケを見たらご連絡ください。 |