森林病害虫等防除法
公開日:2020年11月19日 最終更新日:2022年07月14日
詳細
ナラ枯れ病について新聞紙上でも大きく報道されています。
座間市においても、谷戸山公園、富士山公園、芹沢公園、立野台公園等で発生し、対応に追われています。
https://www.city.zama.kanagawa.jp/www/contents/1604464185714/index.html
ナラ枯被害は民間の林でも同様確認されました。座間安全・安心推進会で調査したところ、ナラ系樹木の約30%以上が感染しているようです。
このまま放置すれば、来年度は更に範囲が拡大されると予想されます。
そこで、感染がこれ以上広がらないよう、森林病害虫等防除法について予備知識を持つ必要があります。
この法律実施について都道府県知事命令で実施することを検討しているとのことです。ナラ枯樹木については下記の法に従って処理をお願い致します。
森林病害虫等防御法
第三条 農林水産大臣は、森林病害虫等が異常にまん延して森林資源に重大な損害を与えるおそれがあると認めるときは、早期に、かつ、徹底的に、これを駆除し、又はそのまん延を防止するため必要な限度において、区域及び期間を定め、次に掲げる命令をすることができる。
一 森林病害虫等が付着している樹木を所有し、又は管理する者に対し、当該樹木の伐倒及び薬剤による防除又は当該樹木の伐倒及びはく皮並びに森林病害虫等及びその付着している枝条及び樹皮の焼却を命ずること。
二 森林病害虫等が付着し、又は付着するおそれがある根株の存する伐採跡地を所有し、又は管理する者に対し、薬剤による防除又は当該根株のはく皮並びに森林病害虫等及びその付着している枝条及び樹皮の焼却を命ずること。
三 森林病害虫等が付着している樹木又は指定種苗(樹木の種子及び苗であつて農林水産大臣の指定するものをいい、その容器及び包装を含む。以下同じ。)を所有し、又は管理する者に対し、森林病害虫等並びにその付着している枝条又は指定種苗の焼却を命ずること。
四 森林病害虫等の被害を受け、又は受けるおそれがある樹木又は指定種苗を所有し、又は管理する者に対し、薬剤による防除を命ずること。
五 森林病害虫等が付着している指定種苗又は伐採木等の移動を制限し、又は禁止すること。
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座間市内「ナラ枯」伐採写真
ナラ枯によって伐採した樹木はこの様に山積にしておくと、孔道内で成長した「カシナガキクイムシ」新成虫は6~9月にナラ菌を持って飛び出し、新たなナラ類の木に穿入し、次から次と枯らしていく。 |
正しい処理法
なら枯した木は玉切りし、切り込みを入れて集積する。
参考図書:静岡県ナラ枯れ被害対策ガイド・・使用許可済み |
切り込み:くん蒸薬剤のガスを丸太及び伐根内部に確実に作用させるため、玉切りした後にチェンソーで切り込みを入れる。
伐根については、チェンソーで左右両側各3箇所5.5cm程度の切れ目を入れてからくん蒸する。
考図書:静岡県ナラ枯れ被害対策ガイド・・使用許可済み |
くん煮詐作業
薬剤(NSC)を噴霧し、その後シートを被せ、カシナガが飛び出さないよう駆除対策を行う。
参考図書:静岡県ナラ枯れ被害対策ガイド・・使用許可済み |
伐根も「くん煮作業」行う。 |
ナラ枯病の仕組み
参考図書:林野庁ナラ枯れ被害対策マニュアル・・使用許可済み
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伐根にも多数のカシナガキクイムシの孔が確認できる。
外周の黒い縞模様がカシナガは病原菌(ナラ菌)の他に餌となる菌(酵母)を木の中に持ち込み、
枯らせる(褐色部) |
11月頃になるとカシナガキクイムシの活動が低下するためフラス(木の粉)が少なくなり、発見し難いが幹の根元をよく見るとカシナガに穿入した孔・フラスが確認できる。 |
大量のフラスが根元に確認
カシナガに穿入されても、枯死しないナラ類は、その後数年にわたって穿入を受けても枯死しないことが確認されている。
ただし、穿入生存木でもフラス排出量が多い場合は、多数のカシナガが脱出するため、脱出を防ぐ対策が必要となります.
参考:林野庁補助事業
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