ナラ枯木伐採と原因調査
公開日:2023年04月22日 最終更新日:2023年04月23日
道路脇、人家脇でのナラ枯被害が増えています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/b89c9facb97591308724e86fe127eeb100efaed2
写真のナラ枯木シラカシ(直径約90cm)も昨年7月に枯れ、既に半年以上経過したことで道路上への落枝、倒木危険性が増しており、保有者に伐採のお願いをし、4月21日に伐採して頂いた。
1.ナラ枯に至る経過
(1)治療
昨年(2022年)7月、シラカシ 保有者からのご連絡によりナラ枯対策(薬剤スミパイン、防虫剤による燻蒸)を7月16日実施した。
(2)治療妨害
シラカシは既にカシナガのマスアタックを受けた後で、多量のフラスが堆積すると同時に、近所ではカブトムシ捕獲の穴場として子供達に知れ渡っていた。
そして対策2日後に近隣の方からの情報で、折角対策したシートが破られ、無残な姿になっている事が確認された。
引き裂かれたシートは地面から約2m付近から敗れており、子供のいたずらとは思えず、翌日朝4時頃から張り込んでいたところ犯人と思われる大人が現れ、私に向かって「子供の夢を壊すな」と怒鳴ってきた。
子供の夢とは、カブトムシが捕獲できなくなったことを言いたかったと思われ、「枯れたら枯れたときのことだ」との酷い罵声をあびた。
その後修復後したが、わずか1ヵ月も経たず枯れてしまった。
(2)ナラ枯原因
枯れた原因は治療妨害もあるが、7月での対策はカシナガのマスアタックを受けていた最中で、対策はあまりにも遅かった。
本来、カシナガが活動を始める5月末までに予防対策を行うべきであった(左矢印)。
(3)伐採
ナラ枯木が道路、住宅の脇に位置し危険性が高いこともあり、保有者にお願いし、4月21日に伐採を行った。
(4)ナラ枯原因は根株付近の細胞死によることが分かった
伐採後の確認により、根株断面 辺材部はナラ菌に感染し木の細胞が死んでいることが分かる。 この為に道管が破壊されに通水障害を起こしたことで枯れてしまったと思われる。
地面から約2m上の切断面は幹の根株切断面より辺材部の茶色部が少ないことが分かる。 この色の濃さがカシナガのナラ菌量とすると、根株付近のカシナガ穿入数が非常に多く、この根株付近で通水障害が発生して枯死したものと推定でき、地面から2m位置をカシナガの 穿孔 を防ぐことでナラ枯が防止できることが改めて確認された。
以上