座間市民活動サポートセンター ざまっとひまわりフォト活動報告文化・芸術ひまわりフォト 8月のネット例会(2021)

ひまわりフォト 8月のネット例会(2021)

公開日:2021年09月08日 最終更新日:2022年07月14日

タイトル ひまわりフォト 8月のネット例会(2021)

詳細

タイトル:8月の日常
撮影場所:自宅の庭
撮影データ:ISO 1600, F13, SS 1/160, 焦点距離 85mmマクロ, 露出補正 0
ひと言:何日か前、脱皮したと思う、いまごろ青春を謳歌しているのか? 飛び出した若い力がんばれ。

講師コメント:あさがおの咲く中、脱皮した抜け殻ですが、撮影場所が自宅の庭とのこと、良いフィールドをお持ちですね。さて、この作品の特徴ですが、ピントの合った部分とアウトフォーカスにした部分とのメリハリが効いた出来上がりとなっていることです。主題である抜け殻には、とかく甘くなってしまいがちなのですが、しっかりとピントが合っていて安心して観ていられます。色合いも良く快い感じを与えてくれます。加えて撮影者の羽化した蝉への応援の言葉が印象的です。

タイトル:お参り終えて
撮影場所:鈴鹿神社
撮影データ:ISO 500, F8, SS 1/400, 焦点距離 187mm, 露出補正0
ひと言: おじいさんとお孫さんが、参拝を終えて帰る所でした。小さい子が左右の確認をしていました。シャッターチャンスと思ったのですが、そこへ、大きなそれもすごく大きな車が来たので、前が壁の様になってしまいました。こういう写真を撮る時は、連写にしておいた方が良いのですか。

講師コメント:特別な祝日ではなさそうな・・・平常の生活の中でのお参りだったのでしょうか。であればこそ日常より神仏を信仰する日本人の心を感じ取ることができます。子供が道路に出る際の安全を確かめている様子が伝わってきます。何気ない景観ではありますが、家族のつながりを感じる場面を上手に収めることができました。なお、質問ですが、少しばかりトラックの頭の部分を写し込むと壁感は解消するでしょう。

タイトル:晩夏
撮影場所:東京都新宿区
撮影データ:ISO 800, F6.4, SS 1/25, 焦点距離 24mm, 露出補正 0
ひと言:ちょっとグロテスクな写真で申し訳ないです。会社帰りにアブラゼミが歩道に死んでいるのを見つけました。都会のセミはすぐに踏まれてぺしゃんこになるのですが、これは死んで間もないようできれいでした。地上には1週間くらいしか生きられないセミの最後でも撮ってやろうかと思い、ローアングルで撮ってみました。

講師コメント:都会で生きた蝉は生きにくくはなかったのだろうか。安心して休める場所はあったのだろうか。樹液は吸えたのだろうか。短い地上での命がコンクリートの上で尽きて行く姿を見たとき、いつも悲哀を感じます。今話題のSDGsの中での地球環境について考えさせられます。この画像は単に昆虫の死にとどまらず、二酸化炭素の排出による温暖化やオゾンホールの拡大、さらには海洋プラスチックの問題などを提起しているものと理解することができます。撮影者の奥深い表現力がなせる技です。

タイトル:光の軌道
撮影の場所:海老名市
撮影データ:ISO 50, F11, SS 30秒, 焦点距離 24mm, 露出補正 -0.3
ひと言:光跡夜景の写真をずっと撮りたかったです。今回は、やっと海老名市でいい場所を見つけましたので、その撮影にチャレンすることができました。

講師コメント:走る車の光(軌跡)を撮るだけでなく街の夜景と対峙させたところに魅力を感じます。テールランプの赤とヘッドライトの色味が露出過多にならず、露光が適切に選択されていて技量の確かさが見て取れます。撮影者にとって未経験の被写体に挑戦される姿勢は好感が持て応援したい気持ちになります。今のチャレンジ精神を持ち続けて頑張ってください。

タイトル:出番待ち
撮影場所:座間市栗原
撮影データ:ISO 640, F4, SS 1/640, 焦点距離 19mm, 露出補正 0.7
ひと言:私が通っている乗馬クラブです。馬具をつけてもらうのを待っている乗馬クラブ所属の馬を撮りました。雰囲気が分かるように馬場で活動中の馬も遠景に取り込みました。

講師コメント:乗馬クラブでの撮影だそうですね。出番前の馬の表情がアップで収められました。ずいぶん落ち着いた、そして優しそうな顔立ちをしていますが、人を乗せたときはどうなのでしょうか。撮影者が説明する背景に乗馬の様子を写し込んだのは環境説明になり良い配慮です。19ミリの(APS-Cでしょうか)広角レンズを使用して背景のボケみをコントロールすることは難しいのですが、よく調整されています。

タイトル:蓮華
撮影場所:寒川町
撮影データ:ISO 200, F5.6, SS 1/500, 焦点距離 120mm, 露出補正 -0.7, 多重露光 2枚
ひと言:寒川町の園芸農家が、切り花用にハスを栽培しています。花はそもそも美しく、それ越えた美しさを写真で表現出来ないかの思いで撮影しています。がそんな思いから、多重露光により、少しソフトなハスの花になればとチャレンジしてみました。来年のリベンジの為にご指導お願いします。

講師コメント:蓮の花は多くの写真愛好家の対象として発表されてきました。撮影者は美しい蓮の花を更に美しく表現するためには、と言うコンセプトを持って撮影に挑んでいます。結果多重露光撮影を選択したものと理解できます。撮影技法は色々な方法があり、多くの皆さんが既に経験していると思っていますが、生きた使い方はあくまでもコンセプトに合ったもので、表現を強調できることが選択要件となります。なお、この花は前半分の花びらがありませんが、このことが花芯やおしべの印象を高める効果を出しています。良い被写体を見つけ、見合った技法の選択が相まって納得できる作品に仕上がりました。

タイトル:春は人気者
撮影場所:千葉県市原市
撮影データ:ISO 250, F4.5, SS 1/200, 焦点距離 75mm, 露出補正 0
ひと言:去年は菜の花と電車、今年は桜と電車を撮影に千葉に出掛けました。小湊鉄道飯給駅の桜と電車です。地主さんの好意で田んぼに水が入っていて条件的には最高ですが、人が多くビックリしました。気に入った写り込みの写真です。

講師コメント:春の象徴である桜と電車のコンビネーション、いいですね。この作品の特徴はやはり映り込みですね。ほとんど風が無いようです。水面の揺れを感じません。電車のオレンジとベージュ色が心をうきうきとさせます。現在不安で息苦しい生活環境の中、溜飲が下がる思いです。さて、天候は薄曇りでしょうか、強い影もなく陽の回りの良い条件で撮影ができました。

タイトル:安全祈願
撮影場所:座間市入谷西3丁目
撮影データ:ISO 320, F8.0, SS 1/105, 焦点距離 45㎜, 露出補正 -0.7
ひと言:前回の作品「気をつけて」を、先生のアドバイスをもとに撮り直しました。思い切ってお供え物を入れないでお地蔵様に近づいて撮ったら、体のひび割れや表情が消えてしまったお顔が強調された写真になりました。こんなになるほど古くから佇んでいるお地蔵様なのだと感じましたが、露出補正をマイナスにしたため、ひびの部分が暗くなり、質感が出なかったかなとも思います。

講師コメント:まずは撮影者が同一被写体に再度挑戦する努力に、ご苦労様と声掛けをさせていただきます。「もう一度現場に行き、今度はこんなふうに撮ってみよう」そう思ってもなかなか実現できないのが常ですが、撮影者が実行されたことに大変な驚きと同時に決断力の強さを感じています。作品は余分な要素が削除され石仏の風化した質感やひび割れが強調され、建立者の思いや時代感が見る者の心を掴みます。

タイトル:盛夏光芒に映える滝    
撮影場所:山梨県富士吉田市 鐘山の滝
撮影データ:ISO 100, F7.1, SS 2秒, 焦点距離 35mm, 露出補正 0, ハーフフィルター使用
ひと言:滝が光芒に包まれる現象を体験したのは初めてであります。現地へ到着したのは滝口方向が陽光で明るく成り始めたばかりの時刻であると思います。この時間から小一時間ばかり、何の期待もせず滝口の陽光付近ばかり撮影をしていました。光芒は突然やってきました。初めは虹のようにも見え、直ぐ光芒であることに気づき慌てふためいてカメラの再調整を・・・・・幸いにして、光芒はかなり長い時間続いたことから作品が完成した次第です。

講師コメント:二筋の滝を挟み込むように光芒が差し込んでいる様子が捉えられています。滝の周囲はシャドーですので光が目立つ条件が整っていたのですね。撮影者は期待をしていなかったようですが、大変珍しい現象に出会うことができて驚きと同時に充実感を味わったことでしょう。特に露出コントロールが適切に行われていることが見て取れます。撮影は足しげく現場に通うこと。つくづくその通りですね。

タイトル:
撮影場所:大和市 遊歩道
撮影データ:ISO 800, F11, SS 1/480, 焦点距離 55mm, 露出補正 1.7
ひと言:外出もおぼつかない日々ですが、近所の散歩道のそばの畑で育てられているひまわりを撮りました。数株の中の1輪ですが、薄黄色い花びらと、薄青い空が私自身好いている色です。修正は周囲を白っぽくして、鮮明度をハードにしました。太陽が恋しい空が恋しい雰囲気を演出したいと思いました。よろしくお願いします。

講師コメント:撮影者のひと言によると、画像を自分のイメージに合うよう修正をしたように思われます。原版を見ていませんのでどの程度の修正かはっきりとは分かりませんが、大分イラスト風の仕上がりに見えるのはそのせいでしょうか。色味、特に色乗りが水彩画のようにさらっとしているので、爽やかな雰囲気を演出しています。青春小説の表紙の写真にぴったりですね。

タイトル:耕作放棄地
撮影場所:道志村
撮影データ:ISO 200, F16, SS 1/45, 焦点距離 20mm, 露出補正 0.5
ひと言:道志村の農道をバイクで走り白い花の群生地を見つけ、撮影を始めて気が付いた。ここは以前は水田で、後継者がいないのか? 放棄されたところに咲いているシシウドの花なんだ。ただ美しいだけで撮ってはいけないな? と思いながら、撮影させてもらいました。

講師コメント:これまで福島の現実を沢山撮ってこられた撮影者。一見してこれも福島かとの印象を持ちましたが、道志村での一コマなのですね。ここでも後継者がおらず農地は耕作放棄となってしまうのでしょうか。このシシウドは背景にある苦悩を語っている訳です。作者ならではの視点で捉えた主題だと感じます。この日は風があったようですね。被写体にブレがありますが、この場合はしっかり止めたほうが良いので、シャッタースピードにも気を使ってください。

タイトル:盛夏 田んぼに咲く
撮影場所:海老名市中新田
撮影データ:ISO 200, F6.3, SS 1/1000, 焦点距離 52mm, 露出補正 -0.3
ひと言:「青い空、白い雲、見渡す限りの黄色いひまわり」 座間市ひまわりまつりはコロナ禍で今年も開催中止。近場でのひまわりを求めて海老名市中新田の田んぼの中で咲くひまわりを撮りました。背景にロマンスカーが走る小田急線。いつもと違った風景に出会いました。来年こそ「座間ひまわりまつり」を心置き無く撮影したいものです。

講師コメント:田んぼに咲くひまわりを主題として、背後を走るロマンスカーを取り込んで見せてくれました。いかにも海老名の風景ですね。環境説明は十分に出来ていると思われます。大変結構ですが、少しばかり気になるところがありますので説明します。現状では背後のボケが大きすぎてロマンスカーを確認しにくいので、深度を深くしていただくとより良くなるのではないでしょうか。構図につきましても左半分が弱いので、レンズは望遠にして同じ構図になるよう下がってください。(現場が可能であれば)すると電車が圧縮効果で大きめに写りバランスが取れてインパクトは高まります。

タイトル:世情に負けず
撮影場所:座間市相武台4丁目
撮影データ:ISO 200, F8, SS 1/500, 焦点距離 25mm(50mm相当), 露出補正 0
ひと言:ここは相武台前駅裏商店街の末端のようだ。この先からは静かな住宅街となっている。周囲の店はすべて閉じられ、小さなシャッター通りであった。そんな立地条件の悪さにもめげず、このラーメン屋さんには暖簾が掛り、人の気配があった。がんばってと、応援の気持ちを込めて撮った一枚である。

講師コメント:営業をしている店舗の続きにシャッターが閉まった様子をあえて取り込んだことで、事の明暗を強調することに成功しました。店舗を見ているのでしょうか、道路を歩く人物の取り込みも効果を増しています。加えて足の長い影が今の不安な社会情勢を表現しています。主題を探り出す撮影者の繊細な感覚が見えます。

#1:タイトル『世情に負けず』のラーメン屋さんの隣は、以前は和菓子屋さんでした。このお店をショーケースの和菓子とともに笑顔の奥さんも入れて撮るなど、気に入っていたお店なんですが、1~2年後に閉店してしまいました。もう撮れないと思い込み、素通りしていたのですが、確かにラーメン屋さんはその後も営業が続いていて、ここも撮れたのだなあとちょっと反省。

#2:タイトル『安全祈願』は、前回と同じ場所で今度はお地蔵様に近づいて撮ってあるので、この写真を撮った意図がとても良くわかりました。石のひび割れで長い年月がたっているのだと感じました。そしてかぎ針編みのオレンジの帽子と前掛け。汚れたり、傷んだら新しく取り替えてきたのだという事も。見る側が色々理解できました。お地蔵様を建立されたその想いが良く伝わってくる写真になってます。前回の写真との比較で、とても良い勉強をさせて頂きました。

#3:タイトル『晩夏』のセミの光景は、我がマンションの廊下や階段でもよく見かけます。そのたびに、どう撮るか?と考えては撮り方がわからずあきらめていました。先生の講評を読み、自然環境問題等にまで考えが及べば、マンションでも撮る方法はあったのかもしれないと思いました。
 それにしても、『晩夏』の作者さんは、お仕事の行き帰りによく撮られるようですが、気軽に持ち歩けるカメラをいつも携帯してらっしゃるのですか?

#4:栗原の馬の写真を撮られた方は乗馬をなさっているとか。ひまわりフォトにそんな方がいらしたなんて! 乗馬を始めたきっかけや魅力をお聞きする機会があれば楽しいだろうなと思いました。これからもお馬さんの写真をいろいろ紹介して魅力を教えてほしいです。

#5:to the #2, 撮り直したお地蔵様への感想をありがとうございました。前の写真にはなかった主題に目を向けてくださり、嬉しかったです。でも、石の質感があまり出てなかったので、また撮り直しに行きました。露出はマイナスにしないほうがよいようです。日差しも取り入れて陰影をつくるほうがよさそうなんですが、本日軽いぎっくり腰に。あの構図は、しゃがんで下からあおるようにして撮るので、しばらくお休みします。この暑さで筋肉も弱るようです。皆さまもお気をつけて。

#6:to the #1, タイトル『世情に負けず』の撮影者です。長年相武台界隈に住みながら、この辺りに踏み入れたのは今回が初めてでした。コロナ禍に地元がどうなっているのかをこの目で確かめ、何かを感じたらそれを撮り止めたいとの思いで、散歩がてらカメラを持って足を運んだ次第です。この辺りがシャッター通りになったのは、コロナよりは日産撤退の影響がボディーブローのように徐々に効いたのかなとは思いましたが、講師先生のご指摘のとおり、長い影に何となく不安感を覚えたので、営業を継続するラーメン屋さんの心境は如何ばかりかとの思いを込めて撮りました。撮れるとの思いでここへ行ったのではなく、たまたま目にした現場に「あーっ」と思い、ストレートにシャッターを切ったに過ぎない写真です。

#7:セミが主役の『8月の日常』と『晩夏』、ひまわりが主役の『天空を見つめて』と『盛夏 田んぼに咲く』、鉄道に題材を求めた『春は人気者』と『安全祈願』、撮る人によってかくも視点は異なるものかと、今回は比較を楽しみながら、視点の多様性についてたくさん学びました。

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