座間市民活動サポートセンター ざまっとひまわりフォト活動報告文化・芸術ひまわりフォト 6月のネット例会(2021)

ひまわりフォト 6月のネット例会(2021)

公開日:2021年07月07日 最終更新日:2022年07月14日

タイトル ひまわりフォト 6月のネット例会(2021)

詳細

タイトル:重い足取り
撮影場所:新宿
撮影データ:ISO 5000, F6.4, SS 1/500, 焦点距離 27mm, 露出補正 0
ひと言:雨の中、母親(写真右の女性)と幼稚園に向かって歩いているところです。母親は雨に関係なくスマホを操作しながら少し先を歩いていますが、子供は雨で幼稚園に行きたくないのか、重そうな足取りでした。自分も子供の頃、雨の日は学校に行くのが億劫だったことを思いだしました。

講師コメント:雨の日登園する子供の重い足取りが良く表現されています。的確なシャッターチャンスでした。前を歩く母親の上半身をカットしてギリギリにスマホを入れての構図は正解でしょう。これで見る人の目は背後の主題に集中することとなります。現代の母親像と何時の時代も思いつつ言葉にしきれない子供心の対峙と受け止めました。

タイトル:夏のきざし
撮影場所:長野県 高ボッチ高原
撮影条件:ISO 400, F16, SS 1/160, 焦点距離 18mm, 露出補正 -0.3, PLフィルター使用
ひと言:カッコウとホトトギスの囀り、そして、高原の爽やかな空気に迎えられ、爽快な気分での撮影でした。レンゲツツジが咲き、天を仰げば真っ青な空と真っ白の雲が、夏の到来を思わせる光景でした。青い空はPLフィルターをきかせて強調しています。空の入れ方に悩みました。下から煽り地面の少ない構図にして見ましたが、どうでしょうか?

講師コメント:夏を迎える高ボッチ山の風景とのことです。ここは富士山や北アルプスを始めとして八ヶ岳など360度の視界が楽しめる場所ですね。撮影者の質問を受けながら二点気になる部分の回答をいたします。一つ目は、空の青とツツジの赤がともに高い彩度で刺激的に目に飛び込んできますので、もう少しおとなしくて良いと思われます。調整してみてください。二点目は空とツツジの比率ですが、現状では「空へ抜いた」という感じはしません。もっと広角にして空を多く入れるなど試みてください。左右に余計なものが入ってしまう場合は近付いて再度画角調整してみるとどうでしょうか。

タイトル:ちどりの勇気
撮影データ:ISO 400, F4.8, SS 1/1300, 焦点距離 200mm, 露出補正 0
ひと言:この画像を見るたびに愛唱名歌「はまちどり」を思い出し、ついつい、口ずさんでしまいます。「青い月夜の 浜辺には …… …… 波の国から生れ出る 濡れたつばさの 銀の色」 1,300の1秒で波の飛沫とちどりを撮ってみました。この鳥は「しろちどり」だと思います。よろしくお願いします。

講師コメント:波の反射ボケがとても綺麗で望遠レンズの味を醸し出しています。ホワイトバランスの選択によると思われますが、シアンが強い色調となっています。しかし水とチドリが同系色となり、溶け合った雰囲気を創り出しているところは特徴として捉えてよいと受け止めます。さわやかな仕上げとなっていて夏のカレンダー写真に使いたい思いです。

タイトル:帰り道
撮影場所:鈴鹿長宿
撮影データ:ISO 400, F6.3、SS 1/400、焦点距離 32mm, 露出補正 0
ひと言:この場所は小学校の通学路になっています。道の脇には湧水が流れて、季節に合わせて花が植え替えられて、いつも目を楽しませてもらっています。帰宅の子供達を見守り安全と安心を与えているのかなとこの地域の人の気持ちが嬉しいです。帰宅途中の子供達も会うと必ず挨拶をしてくれます。

講師コメント:上手なシチュエーションが創れました。お花を前景として近づき、大きく取り入れ、背後に子供たちの姿を見せ、行動・時間・楽しさなどを感じさせるよう組み立てられています。また画面は広く環境を写し込んでいることもメッセージを強めています。きっと撮影前にこの絵柄を完成図として頭に描き、チャンスを待って完成させたものと思います。設定の確かさに称賛の拍手を送ります。

タイトル:元気ハツラツ!!
撮影場所:伊勢原市 日向地区
撮影データ:ISO 200, F6.3, SS 1/250, 焦点距離 52mm, 露出補正 -0.3
ひと言:頑張っていますね!鄙びたお店の店頭で幾とせ“元気ハツラツ、グングン”とは。ひび割れ、補修を施した痕跡の残る宣伝ポスターに思わず元気をもらいました。昭和40年、炭酸栄養ドリンク「オロナミンC」が誕生との事。「おいしいとメガネが落ちるんですよ」 高度成長期を代表する名コピーですね! 自身の半世紀を顧み、久しぶりに「酸味と甘みのバランス」を噛みしめました。もう少し頑張ります!

講師コメント:懐かしいものに出会いましたね。傷み具合から時代を感じます。前景の木製窓枠もバランスが取れているではありませんか。それぞれの人が当時を思い出し、その時に引き込まれてしまうことでしょう。撮影ポジションがとかく撮りがちな正面からではなく、ちょっと左にシフトして捉えているので、画面に奥行きと視覚変化が出て良い結果が生まれています。素直なそして適切な表現にまとまっています。

タイトル:田んぼの中を走る電車
撮影場所:座間市四ッ谷
撮影データ:ISO 12800, F4.0, SS 1/15, 焦点距離 24mm, 露出補正 -0.7
ひと言:また田植えの時期になりました。夕焼けの中、走る電車が水田に映って、まるで田んぼの中を走っているようです。昼間と違った美しさを感じさせます。

講師コメント:写真は撮影する季節や時間でまるで違った表現の出来上がりになるものです。この画像も現場に足しげく通った結果出会うことができたものです。電車が多少ブレているところなど、夕刻の淡い光であることの時間説明がなされていてリアリティが出ています。田んぼの水に映る鉄塔の赤い光や電車の光は、この時ならではのものですね。事象をしっかりと見つめ作品に創り上げていく努力を感じます。さらに頑張ってください。

タイトル:楽しい日曜日
撮影場所:座間市入谷東
撮影データ:ISO 800, F8, SS 1/800, 焦点距離 26㎜, 露出補正 0
ひと言:日曜日の午前中に見かけた親子です。息子のために、こんな時間をつくってあげているパパさんがステキでした。でも、この写真を撮った頃(今年1月)は高速シャッターで撮っていたので、電車が走り抜ける迫力が出ていません。いつかまた、このような場面に出会えたら、スローシャッターで撮りたいと思っています。

講師コメント:本人のひと言を読んでから画像を見ました。シャッタースピードが早すぎたとのコメントでしたので、どんなものかと興味をもって画像を開きました。やはりおっしゃるとおり、電車が踏切で止まっているように感じてしまいましたが、これは本人が良く分かっていらっしゃると思い寸評者としては不安に感じておりません。また、人物の表情を入れ込むことは難しいことですが、そこは女性と言う利点がありますので、是非挑戦してみてください。

タイトル:明暗の行方
撮影場所:小田急相模原 病院通り
撮影データ:ISO 200, F8.0, SS 1/200, 焦点距離 42mm, 露出補正 -0.3
ひと言:「がんばろう!」という明るい気持ちが勝つのか、あるいは「でも、売れない」というコロナ禍の暗い現実に打ちのめされるのか? この店頭の物理的な明暗差が、「今がその天王山」と象徴しているように感じた。

講師コメント:作者のひと言で説明している通り、明るさなのか暗さなのか、いずれが勝るのかとの主張です。がんばろうの旗に陽があたり元気力を感じますし、一方並べた売り物は日陰に並び無力さを感じさせます。撮影者はメッセージを一つに絞らず二者から見る人に自分なりの選択をさせる方法をとっている訳です。実はこの投げ掛けの方法も写真表現においては必要な手段で、よく取り入れられているものです。

タイトル:雨宿り
撮影場所:相模原公園
撮影データ:ISO 800, F5.6, SS 1/750, 焦点距離 55mm, 露出補正 -0.5
ひと言:雨の日、相模原公園にアヤメを撮りに行きました。最初は小雨程度でしたが急に雨足が強くなったので、近くの木の下にもぐり込み小雨になるのを待って空を見上げると、紅葉の葉の先に光るものをみつけ、美しさに心を惹かれ撮影しました。家に帰って良く見ると雨も適度の長さに写っており、気に入った1枚です。

講師コメント:雨の日ならではの一枚が撮れましたね。葉先に留まる雨粒と降りそそぐ軌跡が相まって雨の風情を創り出してくれました。背景をアウトフォーカスにすることで雨が際立って見え、さらに背後が明るすぎない条件だったことも良い結果に結びつくこととなりました。どんな状況でもモチーフを見つけ出すアンテナを張っておくことが必要なのですね。お手本としていただいておきましょう。

タイトル:穏やかな荒崎
撮影場所:荒崎公園
撮影データ:ISO 2000, F22, SS 15秒, 焦点距離 25mm, 露出補正 0
ひと言:自然の天候は思う通り変化してくれません。撮影前の思いは「夕日から夕焼け」に至る全ての光景をカメラに収める体制いましたが、本番では「夕日」時間帯の2枚のみでした。「夕焼け」までは至らず、しょんぼりと帰宅する。

講師コメント:夕景の雰囲気の漂う海の景観を収めることができました。ロングシャッターで打ち寄せる波を穏やかに抑え込んだものですが、結果露出オーバーとなってしまいました。折角良く撮れていますので、色調はいじらずに露出のみをおおよそ1.5絞り程度切り詰め(暗くする)してみましたので、原版と比較してみてください。
 (右記の【注1】を参照)

【注1】講師コメントの続き
  上段:作者の原画
  下段:講師による修正画
写真の上下を見比べてください

講師コメント:ここら辺が適正露出範囲と思います。なお、ISO感度を上げ過ぎると調節をしても露出オーバーになってしまう場合がありますのでカメラの操作を確認してみてください。参考までに修正画像を添付しました。

#1:作品『田んぼの中を走る電車』は、座間の新たな魅力を教えてくれる写真だと感じました。水田という日本古来の農業伝統文化と、電車と送電鉄塔という工業近代文明が共存する座間。それを美しい黄昏時の色合いの中に収めた美的センス。電車のブレ量も程よく、電車が通勤型車両であり路線が都市近郊であることが判ります。かつての写真展『ざま再発見』にも相応しく、当に芸術祭写真展の今年のテーマ『遺したい座間』にも相応しい写真だなと思いました。

#2:「楽しい日曜日」の作者です。シャッタースピードが速すぎたことが失敗だったと思っていた写真でしたが、先生の講評は、人物の表情が写り込んでないことも難点というご指摘だと受け止めました。う~ん、むずかしいですね。私の撮影位置を今より左寄りにして、もっと近づけば、親子の横顔の表情が撮れるでしょう。横顔が少しでも入れば心情が伝わり、確かにぐっと強い作品になると思います。でも、それにはこの親子への声かけが必要ですね。勇気が必要ですが、次の機会には頑張ってみようと思います。ありがとうございました。

#3:タイトル「穏やかな荒崎」は、この写真を見た時、雲海の中にたたずむ一枚の絵を見ているような素敵な写真だと思いました。先生の修正画像と比べてみると凄く良くなっていて、びっくりしました。

#4:タイトル「穏やかな荒崎」は波が雲のようで、標高の高い岩山のてっぺんで人物が遠くを眺めているようにも見えました。ご本人は「夕焼けに至らず」と嘆いてらっしゃいますが、十分美しい風景だと思いました。でも、先生の修正画を見たら、露出オーバーだったのかと。修正された画で、この作品のよさがまたアップしましたね。ロングシャッターの写真に私も挑戦してみたいです。

#5:荒崎海岸は中高生時代に海タナゴを釣りによく行きました。作品『穏やかな荒崎』は、それを思い出させてくれました。何だか、佇む人物が、釣りをしていたかつての自分であるような気がしてしまいました。情緒豊かな写真なので、タイトルも「佇む」をキーワードに、情緒性を前面に出しても良かったのではと思いました。

#6:タイトル「重い足取り」について。以前抱っこひもで赤ちゃんを連れたお母さんを見かけた時お母さんが下を向いて赤ちゃんとお話をしているのかと思って良い光景だと思っていたら、お母さんは夢中でスマホでメールを打っていました。とても便利な世の中になりましたが、その代わり大切なものもなくなっているなと感じた一コマでした。この重い足取りの写真から、以前に体験した光景を思い出しました。お母さんが携帯をやめて子供に話しかけてあげればいいのに。そんなことを考えさせる写真でした。とてもいい写真です。

#7:to the #1, 「田んぼの中を走る電車」の撮影者です。褒めていただき、ありがとうございます。大いに励みです。そうですね、今年の芸術祭写真展のテーマはとても大きくて、色々と考えさせられます。また 座間の新たな魅力を発見できるよう 頑張って参ります。

#8:to the #2, タイトル「楽しい日曜日」は見ていてほのぼのとしてくる写真ですね。とても良いシーンを捉えていると思いました。もうわずかに左から撮ったら、子供がカメラを構えているのがもっとハッキリ判るように感じますが、どうでしょうか?

#9:to the #8, #8さんの発言に気づくのが遅くなって、すみません。感想をありがとうございます。そう、わずかでも左に寄れば、カメラを構えている子どもの顔の辺りがはっきりしたでしょう。作品『重い足取り』の写真の子どもは、少しの表情とまさに重い足取りが捉えられていますから強いですね。じつは、『楽しい日曜日』の写真を撮るとき私は、雰囲気が撮れていればいいという程度の気持ちでした。先生のご指摘で、心情にまで踏み込まなくてはいけないのかと気づかされました。後ろ姿のスナップ、安易に撮ってはいけませんね。

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