座間市民活動サポートセンター ざまっとひまわりフォト活動報告文化・芸術 ひまわりフォト 5月のネット例会(2021)

ひまわりフォト 5月のネット例会(2021)

公開日:2021年06月09日 最終更新日:2022年07月14日

タイトル ひまわりフォト 5月のネット例会(2021)

詳細

タイトル:みず温む頃
撮影場所:道志村 紅椿の湯の入口
撮影データ:ISO 50, F16, SS 1/8, 焦点距離 66mm, 露出補正 0
ひと言:コロナ禍でも一人で山の中を歩く位なら感染する事も無いだろうとの自己判断で、山梨県道志村の道志川沿いを撮影してきました。途中の温泉宿の前の道志川に架かる小さな橋の上から新緑と渓流を撮っていたら、下流から釣り人が上がってきて良い位置で糸を垂らしたので、主題を切り替えて、釣り人と渓流で初夏を表現してみました。但し、ADLをONにしなかったので、渓流の白とびが気になりました。反省。

講師コメント:先に本人の反省点から説明しましょう。結果渓流の流れであります水の色ですが白飛はしていません。大丈夫です。画面全体の露出は決して明る目ではありませんので、水の白はこのくらいの露出でちょうど良いところでしょう。良いタイミングで撮影ができました。最後にフレーミングについて一言。主題であります釣り人をもう少し画面上に位置付けすると(カメラを下に向ける)水の白も入り込み、よりインパクトが増すでしょう。

タイトル:道端を彩る
撮影場所:座間市内 栗原中央
撮影データ:ISO 800, F5.6, SS1/250, 焦点距離135㎜, 露出補正 0
ひと言:朝の散歩の時に撮影した道端の花を撮影しました。バックのボケを意識して撮った為、真ん中の花だけにピントが来た結果になりました。もう少し深度を深くした方が良かったかと迷っています。

講師コメント:もう少し被写界深度を深くしたほうが・・・との質問をいただきました。撮影者の意図は主題の花をもう少し主張させたいとの思いではないかと考えます。しかしながらこのように細かい被写体が混在している場合は、被写界深度を深めても主題以外も主張してくるのであまり効果は出にくいのです。ならばと思い、現場ではフレーミングを、今の段階ではトリミングで創っていきたいと思います。画面下の少し見える花が気がかりですので、これをカットしながら同じ縦横比率で小さくしてみると添付画像のようになります。
 (下記の【注1】を参照)

タイトル:青鷺のごちそう
撮影場所:座間市谷戸山公園
撮影データ:ISO 2500, F9.0, SS 1/3200, 焦点距離 840mm, 露出補正 -1.7
ひと言:コロナ時期のため遠くに行けないので、市内で鳥を撮ることにしました。この写真は谷戸山公園の鳥の池で撮ったものです。

講師コメント:青鷺がザリガニを捉えた瞬間をリアルに捉えることができました。ピントも良く背景をボカした望遠レンズの味がでています。鳥の体の左と下をカットしたフレーミングも的確で、獲物をくわえた顔に意識が集中するよう創られています。顔の背後の緑に光が当たり明度が上がっていることも主題を引き立てる一因になっています。

タイトル:沿線に残る昔
撮影場所:座間市入谷東
撮影データ:ISO 20000, F8, SS1/640, 焦点距離40㎜, 露出補正-0.7
ひと言:丸山不動尊の看板に導かれ、左の細い道を上っていくと不動尊の祠がありました。なんでも江戸中期から地域住民の祈りの対象になってきたそうです。谷戸山公園に近いこの地域は、古い時代の静けさが残されています。そこを近代的な電車が走るという新旧の時代が混在している場所です。ISO値が大きいのは、この写真を撮る前の設定を変更し忘れて撮ったからです。

講師コメント:今回は電車が写り込んではいないのですね。状況を観察しますと踏切バーが動いています。更に矢印が点灯していますので、恐らくこれから通過するのでしょう。ここは意識してこのタイミングで電車を入れずに創り込んだと読みました。電車を入れると見る人の視点は電車に惹かれ、不動尊の看板が薄れてしまうため、この仕込みだと思いますが皆さんは如何でしょうか。

タイトル:避ける
撮影場所:厚木市(七沢森林公園)
撮影データ:ISO 2000, F11, SS 1/20, 他 不詳
ひと言:木のすぐ横に木製の階段があり、根をまっすぐ伸ばすことができず横に伸ばしているのを見て、木にとっては階段がじゃまなんだなと思うと同時に、環境に適応して階段を避けて横に根を伸ばしているのに感心して撮影した。フィルムシミュレーションの渋い発色とコントラストの強い色を選択し根っこが横に曲がっている形を強調した。

講師コメント:確かにハイコントラスト仕上げになっています。フィルム写真ではこの現場環境で根だけ露光を上げるのは色々と技量を駆使しなければなりませんが、デジタルの世界では仕上げの選択は割合容易にできるようになりました。選択肢の幅が広がり表現を実現するには好ましいことです。植物も自身の命を守るために一生懸命生きていることが見て取れる作品に仕上がりました。

タイトル:ライトアップ藤の花
撮影場所:あしかがフラワーパーク
撮影データ:ISO 6400, F2.8, SS 1/60, 焦点距離 70mm, 露出補正 0, NDフィルター使用
ひと言:藤棚のライトアップは、まだ日が残る比較的明るい段階から開始された。ライト光が届かない花は、闇のように暗く感じるところもあった。外の光、ライトの光、闇部の光等、調整を考慮しながら撮影した。

講師コメント:藤の花の奥の部分がピンク系に現れていますが、この部分がライトアップ光と思われます。作者はここに視点を合わせ表現主題としているわけですね。従って前景はアウトフォーカスで、あえて整わないままの露光でシャッターを切っています。したがって見た瞬間に不思議な感覚に包まれ、ピンクの花ゾーンに引き込まれていきます。

タイトル:二人(ひとり)占め
撮影場所:あいかわ公園 ふれあい広場
撮影データ:ISO 200, F8.0, SS 1/250, 焦点距離 35mm, 露出補正 0
ひと言: コロナ禍の贈り物!!まるで若いカップルのようですね。萌える新緑を「二人(ひとり)占め」の老夫婦です。心躍る季節、大勢の行楽客の歓声が響き渡る“ふれあい広場”もひっそりと佇み、静まりかえっています。広い芝に立木の緑が迫る中にたった二人。片側のマスクひもを外し語らい。近寄りがたく主役(老カップル)が点景となりましたが?

講師コメント:広々とした芝生に二人きりでの息抜きのひとときと見ました。まさしくコロナ渦でのスナップなのですね。人それぞれ自分なりの生き方・過ごし方があるものだと知らされます。私たちも安全を確保して健康管理のため外の空気を吸うことが必要でしょう。そろそろワクチン接種の話題も耳にする昨今です。ここまで慎重に生活してきましたので、もうしばらく辛抱できそうです。そんな話が聞こえてきそうです。

タイトル:展望ロビーで撮影する人
撮影場所:箱根ケーブル早雲山駅展望ロビー
撮影データ:ISO 200, F8.0, SS 1/350, 焦点距離 18mm, 露出補正 0
ひと言:展望ロビー手前の休憩室から展望ロビーを見ましたら数人の観光客がいらっしゃいましたので、撮ってみました。山と空と数人の人を額縁の中に収めるようにして撮りました。新型コロナ禍で、観光客は箱根登山鉄道も数えるほどでした。黄砂が飛んでいましたが、箱根の山は風が強く平地より少ないように思いました。

講師コメント:すっきりとした気分にさせてくれる出来上がりです。山の木々の緑色が深く、背後に白い雲、広がる青い空、そして何よりも、広く取り込んだ空を建物の屋根で左側に重点を置いて構成したことが成功の要因でしょう。シルエットの人物も屋根と同調してインパクトを感じます。休憩室からのワンショットとのことですが、良い場面に気付きました。

タイトル:刻(とき)
撮影場所:北向庚申神社
撮影データ:ISO 800, F8, SS 1/200, 焦点距離15mm, 露出補正-0.7
ひと言:大木の根元に、台座から外れた奉納の石碑が立てかけてあった。前に直した形跡があったが、又台座から外れてしまったんだろう。何時の時代も思いは同じで家族の健康や幸せを願って手を合わせる。大木の根っこと奉納の石碑で、過ぎてきた年月を表せないかと思って撮りました。

講師コメント:この場面に遭遇したら写真に収めたいと思いますね。背景の大木は樹齢〇百年のようにも見えます。ごつごつした根っこも見事なものです。さて、その前に鎮座した主題の石碑、確かに台座から剥がれて大木にもたれているのでしようか・・・ともかく奉納されてから長い年月が経っているのだろうと思われます。地域に建立された北向庚申神社の歴史を感じることが出来ます。

タイトル:小さな店の大きな苦悩
撮影場所:小田急相模原 病院通り
撮影データ:ISO 200, F8.0, SS 1/60, 焦点距離 14mm, 露出補正 -0.3
ひと言:ニュースにも載らない我が町のコロナの様子は如何にと思い、観察してきた。「店主は、張り紙を恃みとするしかないのかな」と思った瞬間、「お客や応募してきた女性たちはこの張り紙を見て、どんな思いでドアを開けるのだろう」と、店主・お客・女性たちの心の内の葛藤に想いが至り、撮って残さなくてはと思った。小さな街の小さな店の大きな苦悩を垣間見た気がした。

講師コメント:なるほど、こんな形でもコロナ渦に切り込んで行くことができるのですね。バイト募集の張り紙ひとつからも、どうして今募集をしなければならないのか、色々な事情が想像できます。店主・客・女性従業員の顔の表情まで浮かんでくるではありませんか。何気なく通り過ぎてしまいそうな状況ですが、よくシャッターを切りました。繊細な観察力を感じます。

【注1】講師コメントの続き
  上段:講師による修正画
  下段:作者の原画
写真の上下を見比べてください

講師コメント:ピントもボケも良くできていますので、これで成立すると思いますが如何でしょうか。とても落ち着いた癒しの作品になったのではないでしょうか。

#1:題「道端を彩る」の写真良いですね。鬱陶しい状況の中、このような写真を見せて頂くと、とても癒されます。部屋の中に飾っておきたい写真です。トリミングされた写真と比べると、なお一層写真が良くなりました。2枚を比べられるのでいい勉強になります。

#2:タイトル『みず温む頃』は、撮影者ご本人は水の白とびを気にされていますが、私は白とびしているようには感じませんでした。それよりも、激しく水が流れ込み泡立っている様が1/8秒のスローシャッターで力強く表現されていて巧いものだなと思いました。

#3:タイトル『道端を彩る』を先生がトリミングされた画像は、ほんのわずかのトリミングなのに、主役の花がより前面に出てくることがわかりました。「画面下の少し見える花が気がかり」と講評にありますが、ここをカットすることで左側もカットされ、小さな花たちが整理されてすっきりした背景になりました。じつを言うと、「画面下の少し見える花」など私はまったく気にならないのですが、そういうところに気がつかないとトリミングはできないようですね。

#4:遠くへは撮影にほとんど行かない私ですが、タイトル『みず温む頃』のような風景を見ると、こんな場所へも行ってみたくなります。渓流の音、木々の緑の美しさ、おいしい空気……。ここでは、どんな魚が釣れるのでしょう? 釣り人がいることは、ひと言を読んで気がつきました。赤いベストでも着てくれていたら目立ったでしょうが、無理な注文ですね。

#5:今回のネット例会には、『避ける』『刻(とき)』『小さな店の大きな苦悩』など、考えさせられる作品が多くありました。こういう写真は、自分の周りをよく見ていないと探し出せないものなので、皆さん、レンズ目線で歩いてらっしゃるのだなあと思いました。でも写真を見る側が、さらっと見てしまっては作者が伝えようとしていることがわかりません。ひと言を読んで、また先生の講評を読んで、初めてそうなのか、と気づくことが多々あります。

#6:タイトル『青鷺のごちそう』の作者さんは、確か「清らかな水が豊かな地 座間」を課題の一つに撮っていらっしゃるとか? これまでにも水田の写真を多く見せていただきましたが、今回は水辺の鳥である青鷺を主役にして課題を撮られたのかなと受けとめました。こうした切り口も有りですね!

#7:to the #5, 『小さな店の大きな苦悩』の作者です。これを撮った際に、自分自身としては特段レンズ目線になっていた様には思っていませんでした。それよりは、病院通りに踏み入れて直ぐ、「雰囲気」が何か以前と違うことに気付きました。そして、その異なる雰囲気を醸し出しているものの一つが「張り紙」であると思いました。写真は、張り紙を見ての自分なりの解釈を表現しようとしたに過ぎません。
 ただ撮った後で、#5さんがおっしゃるとおり、見る人には「店頭の張り紙を撮ったに過ぎない」と思われるだろうなとは思いました。先生は良く、「写真を読む」とおっしゃいます。我々は写真について、撮る力はもちろんのこと、読む力をも養う必要があるのでしょうね。撮る力と読む力は表裏一体に思えます。

#8:to the #6, ありがとうございます。そうですね、『青鷺のごちそう』は「清らかな水が豊かな地 座間」を課題の一つとして撮ったものです。色んな角度から、座間の豊かな地を反映できる写真が撮れるよう頑張ります。

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