座間市民活動サポートセンター ざまっとひまわりフォト活動報告文化・芸術ひまわりフォト 4月のネット例会(2021)

ひまわりフォト 4月のネット例会(2021)

公開日:2021年05月13日 最終更新日:2022年07月14日

タイトル ひまわりフォト 4月のネット例会(2021)

詳細

タイトル:コロナ時期のお花見
撮影場所:座間市かにが沢公園
撮影データ:ISO 4000, F6.3, SS 1/1250, 焦点距離 103mm, 露出補正 -0.7
ひと言: 今年のお花見はコロナのため遠くに行けなく、市内で桜めぐりに回りました。座間市内にもこんなにたくさんの桜が綺麗なところがあるなんて、初めて知り、驚きました。

講師コメント:桜を前景として取り込み、アウトフォーカスにして中景の人物に焦点を合わせ主題としています。人物の配置が良い、少人数が良い、シャッターチャンスも良い、構図としては桜の懐に上手く収まりました。前後の人物が共にマスクをかけているのも今を捉えています。コロナ・お花見をきっちりと表現することの出来た作品として位置づけることが出来ます。タイトルはストレートではありますが、煎じ詰めるとやはりこうなるのですね。

タイトル:激変の故郷
撮影場所:福島県浪江町大堀地区
撮影データ:ISO 400, F16, SS 1/350, 焦点距離 165mm, 露出補正 -0.5
ひと言:今年は東日本大震災から10年目。2年ぶりの墓参に福島県浪江町へ行って目に飛び込んで来たのは、集落一面に敷き詰められた黒い物体ソーラーパネル集落に変わっていた事です。嘗て、ここには農家が点在し田畑が広がっていたが、すべて平地と化し、メガソーラー集落に激変していました。その入り口には「帰還困難区域」の立て看板がありました。「もう、帰れませんよ」と宣告されたようで、涙が止まりませんでした。

講師コメント:画像からソーラーパネルの一群が被災地復興の証と受け止めましたが、作者の意図は真逆でした。汚染され帰還出来ないが故にソーラーパネルが設置されたとのことです。この画像からは、咲き誇る桜、手入れがされているような立派な社が見えて、空も青色基調で全体として明るい環境と思われます。また、車も止まっていて生活感も感じました。従って復興の兆しと感じてしまう訳ですが、どうでしょうか前景や背景に明るさを取り込むのではなく、逆に苦難や暗さや朽ちや放置など苦難を感じさせることが出来たら、素直に「陰」を感じられるのではないでしょうか。写真は撮影する前に思いがあると出来上がった画像を見てもその思いを引きずってしまうものです。自分の作品をチェックするときは心を白にして客観的に見ることが出来るといいですね。

タイトル:春の会津鉄道沿線
撮影場所:湯野上温泉駅近く
撮影データ:ISO 800, F4.5, SS 1/160, 焦点距離 30mm, 露出補正 0
ひと言:撮影のため車で、湯野上温泉駅へ向かう途中、走行中見つけた場所で帰路時に撮影した作品です。偶然ではありますが、日の光が川から電車に至る傾斜地を満遍なく照らしていて、春を装っていた。私は、絵や写真で見かけたような理想的光景を、思い浮かべた構図を考えながら電車の到来待っていた。その思いが現実のものとなる瞬間が訪れた。

講師コメント:大変のどかな風景に出会いましたね。桜並木をたった一両の電車が走る。これだけで既にドラマです。画面も上を切り詰めてフレーミングも整っています。電車に乗る人や写真を撮る人の夢を乗せて何処まで届けてくれるのでしょうか。風景写真でありながらジャンルは「ファンタジー」と言ったところでしょう。大変結構なので画面を少し大きくして見ましたところ、前景のフォーカスが外れているように見受けられました。30ミリレンズで絞り4.5、これだけ遠景ですから被写界深度が浅いとは思えないのですが、となりますと、はっきりとは申し上げられませんが、トリミングをされたのでしょうか。ご本人もパソコン画面で確認してみてください。ちょっと不思議な感じがしました。

タイトル:北国の春
撮影場所:福島県下郷町
撮影データ:ISO 400, F16, SS 1/500, 焦点距離 80mm, 露出補正 -0.3
ひと言:会津鉄道の茅葺き駅舎で有名な湯野上温泉駅の春を撮影いたしました。遠くの山に雪を抱き、まだ寒い中で咲く桜が美しかった。残念なのは「ウソ」という鳥が、花をついばみ花数が少なくなっていました。有る程度遠景までフォーカスが欲しかったので、F/16で撮影しました。「小絞りボケ」の心配は如何でしょうか。

講師コメント:リアルな画面に目を奪われました。前景の花は梅でしょうか。梅の紅色と桜の白のコンビネーションが際立っています。カーブしているレールを左前に抜いた構図が良い。電車の赤色が輝いています。背景には雪を被った山が、沸き立つ雲が。一つひとつの景観が強い個性で主張はしているものの、フレーミングしてみるとそれぞれが上手く馴染んでいるのが分かります。陽の回りも良く素晴らしい風景を収めることが出来ました。さて、F16で撮影したので、解像力が落ちたのではとの質問ですが、撮影したこの画像のみでそれを判断ることはできません。見た目で分かるようではひどい状況と言えます。従ってテストチャートにかけて初めてその差が分かる程度です。なお、レンズごとに良好な解像力を発揮できるF値がありますので、メーカーサービスステーションに確認すると良いでしょう。
 私はこの画像を見た瞬間、ボケどころかむしろシャープがかかったかのように感じましたが。

タイトル:新緑輝く
撮影場所:埼玉県狭山市
撮影データ:ISO 100, F13, SS 1/15, 焦点距離 57mm, 露出補正 -0.7
ひと言:畑の奥に私の好きな柿の木の新緑が目につきました。周りにはつつじが咲き、主役の柿の木を引き立てている感じがしました。農家の方が植えた野菜(ほうれん草?)を手前から柿木に向かって入れて生活感と遠近感が出るようにしました。

講師コメント:この画面完全なシンメトリーと思いきや、主題の柿の木が僅かに左にずれてフレーミングに新鮮さを感じさせてくれます。背景がシャドーのため柿の葉の輝きは際立つこととなります。良い時間を選択できました。前景の野菜も輝いて良い仕事をしています。陽は左上から差し込んで、とかく寂しくなりがちな前面部分の畑の土に影が出て、重量感のあるところを中央に配したことも巧みなシチュエーションです。農夫の足跡らしきも感じられ、作業姿をも想像することができます。

タイトル:二人のふるさと
撮影場所:相武台・坂道公園
撮影データ:ISO 100, F16, SS 1/50, 焦点距離 16㎜, 露出補正 0
ひと言:電車音はときに騒音となりますが、3.11後の三陸鉄道沿線では、列車が不通になって音がしなくなり寂しかったと言います。この姉妹にとっても、小田急電車の音や姿は、ふるさとの記憶につながるのではないかと思いました。

講師コメント:小田急線の街、座間シリーズを見せていただきました。う~ん!今回はこう来たのですね。まさしく小田急電車はこの子の幼い時の記憶として残ることでしょう。女子が通り過ぎる電車を見つめているところが表現を高めています。踏切で電車を見せている親子に出会うときがありますが、そんな姿まで思い出させてくれる力があります。良いスナップが撮れました。地元を見つめ切り込んで行くパワーを感じます。

タイトル:春うらら
撮影場所:大和市引地川千本桜
撮影データ:ISO 640, F11, SS 1/52, 焦点距離 18mm, 露出補正 +0.3
ひと言:春の柔らかい日差しで、皆さんが思い思いに満開のさくら鑑賞をしていました。そんな雰囲気をとりました。

講師コメント:地元にも良い場所があるのですね。一瞬忍野村の新名庄川の風景かと思ったほどです。見物客の気持ちは題名のとおり、皆「春うらら」と言った様子に映っています。18ミリレンズで絞り11ですから勿論パンフォーカスとなり、奥行きを感じさせた仕上がりとなっています。右手前に大きく取り込んだ枝が画面を引き締めています。

タイトル:ひとりの時間
撮影場所:相模原公園
撮影データ:ISO 100, F5.6, S S1/640, 焦点距離15mm, 露出補正0
ひと言:変異株が日を追うごとに増えてきて、なお人と会う機会も減ってしまった。何年か前の公園のネモフィラは密集して咲いていたが、今年はまばらで公園のネモフィラも寂しそう。このまばらの花を撮りながら、私もここにいるよと自分の帽子を入れて一枚撮ってみました。

講師コメント:あ~いいですね。私はどなたの場合も、作者のひと言を読まず、先に画像を見ることにしています。それは作者の意図に引きずられないためです。自分の読みを確定してからひと言を読み、作者と共感する部分を発見できた時は、寸評と言う仕事の楽しさを味わうことができます。群生でもない花と自分を対峙させ、どんなメッセージであろうか。こんな思いはピタッと一致しました。毎回作者の物を見つめる繊細な感覚に感心させられます。風景画が心象的な作品へと変わった瞬間です。

タイトル:変わり行く街
撮影場所:座間市相模が丘5丁目
撮影データ:ISO 20, F1.8, SS 1/1779, 焦点距離 4mm(28mm相当), 露出補正 0, iPhoneカメラ
ひと言:ここまで歩いてきて、脚が停まった。「えっ、変わったなぁ」と感じた。オダサガ駅傍のこの界隈は、その昔は少々怪しげな小さな店が並んでいたと記憶する。「高層マンションに取って代られたのか。波に呑まれて、この店もそのうち消えるのだろう。」 そんな気がして、今を撮らなくてはと思った。カメラを持っていなかったのでiPhoneで代用したのが、手抜きではあったが。

講師コメント:確かに小田急相模原駅周辺は相模原も座間分も区画整理が行われ大きく変わりました。ここら辺は料亭やスナック居酒屋などがびっしりと並んだいわゆる遊興街でした。さて画像は、区画整理後の整然とマンションが立ち並ぶ近代的な背景と、生活する住民の姿と区画整理を逃れた旧店舗、特に空中に張り巡らされた電線が当時店舗の立ち並ぶ狭隘な印象を残している前景との取り込みが的確に作り込まれています。作者の言う通りこの前景が果たして無くなってしまうのか、残るのか作品は投げかけています。

タイトル:やすらぎの一瞬(とき)
撮影場所:愛川町 あいかわ公園
撮影データ:ISO 200, F8.0, SS 1/500, 焦点距離 50mm, 露出補正 -0.3
ひと言:耐え忍んだ「緊急事態宣言」延長期限を経て、ようやく解除!との想いを感じる一瞬です。春めきの花々が咲き誇る公園の一角でご高齢の夫婦が感染予防のマスクを外し、つかの間の「やすらぎの瞬間(ひととき)」です。高齢者に優先されるワクチン接種の案内状が届くが予約の受付は何時? そして「変異株の脅威は?」まだまだ予断を許さない“コロナ禍”です。
 先生へ。電話でのご親切な指導有難うございます。励みとなります。

講師コメント:二度目の緊急事態宣言が終了した時点での撮影との説明ですので、その時に戻っての寸評とします。このお二人も続く自粛生活に心の負担を感じていることでしょう。そして、今日は、この時だけはと久しぶりの解放感を味わっているのでしょう。そんな光景をパチリですね。全体の色味が赤系の暖色なので、更に色調もおとなしい仕上げとなっているため、「ほんわか」とした幸せ感がにじみ出ています。普段は苦しくても、この時だけはつかの間の幸せを楽しんでいます。作者は被写体である人物の代弁をこう伝えているのです。

#1:タイトル『二人のふるさと』写真を見て、幼少期に3年住んだ仙台駅傍の社宅での生活を思い出しました。幼稚園から帰ると東北本線を跨ぐ花京院橋の上から通過する貨車の連結数を数えて数を覚え、夜は機関区で休む蒸気機関車の汽笛に東京に住む祖父母を思い出しと、そういえば鉄道とその音に育まれた一時期であったなぁと思い出しました。仙台は私には第二の故郷ですが、鉄道の思い出は生涯心に残りますね。ステキな写真だと思います。

#2:タイトル:「ひとりの時間」の作者です。先生ご指導有難うございます。カメラを向けた時そこにあるものを、ただ撮るのではなく、何を伝えたいのかを考えながら撮るように心がけています。3枚組の時は物足りない写真でも他の2枚で補ってくれるかなと、安易な気持ちが有りました。
 この写真は私の思いが伝わって良かったです。

#3:ネモフィラと帽子の写真を見たとき、「母さん、僕のあの帽子、どうしたんでせうね?」という、映画のキャッチフレーズを思い出しました。ああ、こんな所に飛んできていたのか、と。いろいろな物語が生まれそうな作品でした。

#4:「二人のふるさと」の作者です。先生、そして#1さん、感想をありがとうございました。小田急線の写真を最初にネット例会に出したとき、先生から電話で「状況説明ではダメ」と言われ、そのことがずっと頭にあって場面探しをしていました。その後、出会ったブランコと小田急線でした。また、今回の講評にあった、親子で電車を待っている光景も何度か目にして撮っています。でも状況説明になっていて、鉄道に思いを寄せる親子のワクワク感のようなものがまだ出せていません。

#5:「二人のふるさと」の作者から発言2です。「春の会津鉄道沿線」と「北国の春」は旅情を感じる美しい鉄道写真で、小田急沿線との違いをまざまざと感じました。座間を走る小田急線は生活路線なので、そのような風景は望むべくもありませんが、魅力を探し求めていたら旅情を感じられる場面に出くわすかもしれません。そんな写真も撮れたら、と思わせてくれた二作品でした。

#6:「激変の故郷」は、この写真を見る何日か前に、たまたまラジオから浪江町に住めなくなった人の話を聞いていたので、前後にソーラーパネルが敷き詰められたその真ん中に墓石が並ぶ風景を見た時胸がいっぱいになりました。以前は農家が点在し田畑が広がっていたのですね。むごいことですね。

#7:「激変の故郷」「変わりゆく街」は、その場所を知らない人に変化を感じ取ってもらうのはかなり難しいことではないかと思いました。組写真に向くテーマでしょうか? そう思って見ていたら、座間駅前も、私が座間に住むようになった、わずか40年ほどの間に何度も変化してきたことに気がつきました。再整備された今春、また新たな座間駅前が出現しています。以前の写真は撮っていませんが、せめて今を撮っておかなくては!

#8:1988年から5年間放映されたJR東海の名作CM「Xmas Express」は、「新幹線は(人と人が出会う、町と町を結ぶ)コミュニケーションメディアである」がコンセプトであったそうです。タイトル『二人のふるさと』写真には、このCMのコンセプトの原点のようなものを感じます。

#9:to the #7, 『変わり行く街』の作者です。作品の意図としては、「オダサガ」に拘ることなく一般化を試みました。古い低層木造建築を取り囲む真新しい高層ビル、焼き肉店の奥に見える空地(駐車場)、道路を挟んで左右の歩道の様子、同じく空中架線の様子などで、街区の新旧変化を表現し得ると考えました。それゆえタイトルも『変わり行くオダサガ』ではなく、『変わり行く街』と一般化しました。「変化」を感じることは無理でしたか?

#10:#9さんへ。確かに、『変わり行くオダサガ』ではなく『変わり行く街』と題してありましたね! なるほど、ある街の新旧の変化を一般化して表現することで、あちらの街こちらの街の変化へと想像をふくらますことができますね。オダサガの昔を知らなくても、この写真の建物の対比や電線の様子から、他の街でも同様に起きているだろう街の変化を十分に感じ取ることができます。
 一方「激変の故郷」も、ソーラーパネルの間に墓石が並ぶという異様さに環境の変化を十分に感じました。
 ただ、変化と一口に言っても、そこには時間、環境、人などたくさんの要素を含んでいるので、表現方法としては組写真向きかなという気がしたのです。ネット例会は1点ずつの出品なので、ここで組の表現はできませんが。

#11:to the #10, この場は諸般の制約から単写真での学習にはなりますが、提出した1枚を核にして、あるいはそれを引用(利用?)して、組み写真へ発展させることは可能だろうと考えます。『オダサガ』に拘った組も、『街一般』に昇華させた組も撮れるように思います。同じ味の写真なので適切か否は判りませんが、この『変わり行く街』は昨年4月に掲載の『変貌の途』と似た視点で撮っており、何かを軸にしてこの2枚を併せることを試行できそうにも思います。
 要は「何を言わんとするか」の、それこそ先生が常日頃おっしゃっている「コンセプト」をしっかりし、その軸に沿った写真を、味わいを変えながら揃えられるかどうかなのだろうと思います。間違っているかな?

#12:to the all, 次々にしつこくて恐縮ですが、ちょうどよい機会なので、#11さんの組写真論の続きとして発言させていただきます。
 組写真は簡単に組めるものではないので、私はネット例会の1点もいずれ組にすることを考えて提出しています。最も近い目標は、ひまわりフォト写真展の5枚組をつくることです。最初からはっきりとしたテーマがあるわけではなく、撮っているうちに何か浮かび上がってくるだろうという程度です。漠然としていても目標を持って撮っていると、どんな条件でも撮る対象を見つけだす面白さがあります。撮れないときも多いのですが、このネット例会が撮る意欲を継続させてくれているのをありがたいと思っています。

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