座間市民活動サポートセンター ざまっとひまわりフォト活動報告文化・芸術ひまわりフォト 1月の例会(ネット例会)

ひまわりフォト 1月の例会(ネット例会)

公開日:2021年02月08日 最終更新日:2022年07月14日

タイトル ひまわりフォト 1月の例会(ネット例会)

詳細

 令和3年正月のネット例会です。

 速いものですね、コロナ禍も1年が経ちました。当初管理人は、パンデミックになるであろう、そうなれば終息までに早くて2年、まあ3年はかかるだろうと予想しました。理由は簡単です。我々は今21世紀に生きていますが、人類はこの新型ウイルスと闘うための強力な武器を持っていなかったからです。

 武器は3種類。一つは感染機会を減らすためのソーシャル ディスタンス。もう一つは発症率を抑えるための免疫をつけるワクチン。最後の一つはウイルスそのものを不活化する治療薬である抗ウイルス薬です。今ようやくワクチンが整い始めましたが、我が国への供与はこれから。抗ウイルス薬の開発は途に就いたばかりのようです。現時点で我々が手にしている武器は、100年前のスペイン風邪のときと同じソーシャル ディスタンスのみです。発症者には対症療法が色々と工夫されてきましたが、それらはあくまでも症状を抑え軽減する手段です。

 そのような社会情勢下において写真を学ぶには、もうしばらくはネット例会を活用するのが上策かと思います。投稿写真に付随の「ひと言」や別カラムの「会員の発言コーナー」を活用して、ひまわりフォト会員各位殿には講師先生に大いに質問をしていただきたく思います。

タイトル:安全祈願
撮影場所:鈴鹿神社
撮影データ:ISO 1600, F5.6, SS 1/350, 焦点距離 50mm, 露出補正 -1
ひと言:日に日にコロナの患者数が増える中、三が日の参拝はやめようと思い暮の神社の様子を撮りに行きました。宮司さんも巫女さんも忙しそうに準備に追われ、暮のうちにお払いに来ている人もいました。神殿のガラス戸を閉めようとしているところを撮らせてもらいました。宮司さんのマスクで安全祈願としましたが、お参りに来た人も入れて安全祈願にした方が良かったのか?迷いました。

講師コメント:新型コロナウィルスの恐怖にさらされている毎日の生活ですが、神事にも影響することを改めて認識させられます。神官が換気にも留意し対応する様子がうかがえます。次に質問にお答えしましょう。お参りする人物も取り込むべきか、とのことですが、この条件で参拝者を写し込むのは厳しいと思います。むしろ主題はこの大きさで捉え、温和な優しさが伝わってきてご加護に包まれる雰囲気を感じますので、構成に間違いはないと思います。なお、色調がおとなしい仕上がりとなっていることも良い結果に結びついています。

タイトル:静かな美しさ
撮影場所:山梨県清里
撮影データ:ISO 100, F16, SS 1/25, 焦点距離 200mm , 露出補正 0
ひと言:日本の富士山は季節や気候や時間によって様々な魅力的な表情を見せてくれるので、撮影の度にワクワクします。清里へ行った際、運良く富士山が見え、静かな美しい隠れ富士をレンズに収めることができました。

講師コメント:富士は季節・天候・時間で様々な景観を見せてくれます。撮影条件はフラットな光の逆光で、シアンを基色とした青富士を上手に捉えることができました。露出、構図共に大変結構です。画面手前の山に左背後からの光が回り込み色味を出しているところが作品を引き締めています。最後にひとつ確認をしたいのですが、撮影データから判断しますと三脚を使っているのでしょうか。

タイトル:落日
撮影場所:千葉県南房総市(根本海岸)
撮影データ:ISO 100, F11, SS 1/60, 焦点距離 26mm, 露出補正 -0.7
ひと言:遠くに伊豆大島を望む房総半島の突端、根本海岸からの撮影です。沈む夕日に向かっての条件で、明暗差が大きく白飛びを注意しマイナス0.7で撮影しました。手前の岩には岩のりの緑の彩りがもう一つの気がしています。

講師コメント:海を対象とした中では珍しい表現となっています。沈みゆく太陽と棒状に横たわる岩に繁茂した岩のりの色彩対照が印象的です。右上から左下に走る斜め構図がぴったりと決まっています。自然光で(ADLなどカメラ機能を駆使したと仮定)夕焼けを主題として撮影する限り、明暗の露光は調整ができています。ラチチュードを考慮して明を基準とすれば、暗は成り行きとせざるを得ません。そしてこの作品、最終的に見る人にどんな印象を与えたいのか、ということになるのですが、美しい風景なのか、海の生態や資源についてなのか、貴重な環境なのかなど、(何を主題にするかでどこを適正露出にするのか、と構図が変わってきます。)このことが撮影者の岩のり部分の露出についての質問に対する説明になると理解してください。

タイトル:西空に湧き出た夕日雲
撮影場所:東林ふれあいの森
撮影データ:ISO 400, F4, SS 1/500, 焦点距離 55mm, 露出補正 -1.7
ひと言:雲は、16:36過ぎに出現し同41分過ぎに消滅しました。大きさと、形と、色合いを変化させながら、そして南に流れながら、わずか5分で消えました。その迫力ある炎らしき様子に火事だと思ったほどで、本当に大空の自然現象に、驚きました。雲の色彩を表現したく、見た感じと同じになるように露出補正を-1.7までさげました。

講師コメント:焼けの場面も色々な様相を呈することがあります。この場合は一見すると山火事が発生しているかの如く、恐怖や不安を感じさせる要素があります。そのことがまさしく主題であるわけです。ただ単に焼けはいつも美しいではなく、この場ならではの雰囲気を感じ取り、そのことを再現しようと努力をした撮影者の感覚に拍手を送ります。

タイトル:叫び!
撮影場所:海老名市(清水寺公園龍峰寺)
撮影データ:ISO 200, F6.3, SS 1/320, 焦点距離 100mm, 露出補正 0
ひと言:いよいよここ迄きましたか!「コロナ禍の病床ひっ迫」と「増え続ける感染者数」に驚きおののきの毎日です!自粛生活の息抜きにひと気をさけ、静寂な清水寺公園の龍峰寺を散策参拝です。ふと参道の足元に子地蔵達の叫びを聞きました?新春の明るい日差しが注がれている風情に救われました。日本のみならず全世界の人々の切なる願いを感じる一瞬でした。

講師コメント:石仏、神仏はベタ光ではなく、シャドーをつくって質感と気迫を出せと言われています。寄り添った地蔵に斜光が当たり良い時間帯に撮影することができました。地蔵の声はこの時期、不安におののく人々の代弁のように受け止めることができそうです。現在の社会情勢を反映するモチーフを見つけ出す感覚の確かさを感じます。

タイトル:令和3年元旦日の入り
撮影場所:湘南海岸
撮影データ:ISO 50, F22, SS 10秒、焦点距離 70mm, 露出補正 -4
ひと言:元旦早々、撮影計画をしていました。足柄の「夕日の滝」で滝行を、そして「大雄山」をお参りがてら撮り、「江ノ島」海に輝く沈む太陽を撮るつもりでした。ところが、江ノ島到着が日没時間5分前、「海に輝く太陽」の話はなくなりました。大雄山で遊び過ぎました。駐車場を探しカメラを設置完了時には、日の入りはかなり進行していました。せめて夜景だけでもと、心は慌てていました。作品はこの時のものです。ノイズも少なく結果オーライでありましたが、今改めて撮影データを見て反省しています。ノイズを考慮した時、ISO感度をもっと高く、絞りF値10以内とすべきであったことを……。

講師コメント:湘南の夕景が豊富な色彩で捉えられています。特に海の諧調は素晴らしい仕上がりです。手前に二組の人物像が入ったことで、風景写真の中にも心象的な要素が含まれることとなり、見応えを感じます。画面下部のシャドー部分をもうすこし少なくすると画面全体の印象が高まります。トリミングをして確認してみてください。

タイトル:名残の色比べ
撮影場所:谷戸山公園
撮影データ:ISO 4000, F8, SS 1/60, 焦点距離 116㎜, 露出補正 -0.3
ひと言:昨年の秋は紅葉を何度か撮りましたが、美しい光景をどう収めればよいか迷いました。なんとかイメージがわいたのは足元の落ち葉です。色合いの違う紅葉が、落ち葉になっても自分の色を残しながら木の根元を彩っていました。葉は少々並べ変え、名残の色の違いを表現したつもりです。

講師コメント:確かに少し並び替えた感じがしないでもありませんね。それはともかく、枝に付いた葉ばかりではなく、散った葉に美しさを感じることがあります。良く足元を見つめてくれました。間口を広くして感動のアンテナを張り巡らした成果だと思っています。今日の現場は良くなかったという話を耳にすることがありますが、良くなくてもその日の一番は必ずありますので、それを探し出すことなのです。絶対評価ではなく相対評価で考えてください。

タイトル:路上の平均台
撮影場所:神宮前
撮影データ:ISO 400, F8, SS 1/400, 焦点距離 23mm, 露出補正 -0.7
ひと言:二人組の女の子にカメラを向けたら、一人が縁石に飛び乗って歩き始めた。側転や倒立こそ無かったものの、バランスをとる様は平均台の演技の様だった。器械体操をやっている娘なのかなと想像しながら、彼女の気持ちは金メダルだよね!と思い撮った一枚です。二人とも視線をもらえなかったのが残念でした。

講師コメント:若い女子のはつらつとしたパワーが感じられます。二人並んだ人物の左をカットした構図は主題を引き立てるうえで適切な配慮です。主人公は途切れた縁石をジャンプして渡るのだろうと次の行動を想像します。この場合は足元に動の要素がありますので、もう少しアイレベルを下げて撮るとさらに説得力が出てくると思いますがいかがでしょうか。

タイトル:霧の参道
撮影場所:伊勢原市(大山)
撮影データ:ISO 400, F11, SS 0.67秒, 焦点距離 55mm, 露出補正 -1, 三脚使用
ひと言:紅葉も終盤に入った頃に阿夫利神社へ出かけました。午前中降っていた雨も上がったので、午後からバイクで出かけました。ライトアップもしていると聞いていたので、夜景も期待して出かけました。着いたのが午後3時頃。ロープウェイで下社へ着くと、どこからか霧が押し寄せて、まわりの景色が幻想の世界に包み込まれ、ライトも点灯され、その美しさに心躍りし、平常心を失い撮らされてしまいました。撮影のポイントが定まっていないですね。

講師コメント:これまで例会で説明してきました通り、霧の景観ではモチーフの一部を前面に引き付け、クリアーにすることで霧を生かし強調することができます。画面では上部の紅葉と下部の灯籠を近づけることにより、全体が霧に包まれフラットになることを避けています。セオリー通りのシチュエーションで組み立てられていて良い結果が得られたと思います。

#1:「名残の色比べ」の作者です。この写真を撮るとき、そのままの落ち葉では絵にならなかったので、葉を少し並べ替えたのですが、不自然な感じが伝わってしまったようですね。自然に見える演出のセンスも撮影者には必要と肝に銘じました。

#2:清里で撮られた「静かな美しさ」の青富士に見とれました。どのようにすれば、このような青を基調にした写真が撮れるのですか? 目で見た風景もこの通りですか? 季節や時間帯が関係しますか?

#3:安全祈願の撮影者です。先生、コメント有難うございました。いつも、先生のコメントが出るのを楽しみに待っております。他の作品へのコメントも、とても勉強になります。

#4:「路上の平均台」は、「足元に動の要素があるので、もう少しアイレベルを下げて」という先生のご指摘に、なるほどなあと思いました。いい人物に出会ったら、さらにその人物のどこに魅力を感じるのか焦点をしぼり、そこが強調されるよう構図を考えるのですね。この作者さんがアイレベルを下げているときに女の子がジャンプしたとしたら、もっといい瞬間が撮れていましたよね!

#5:「令和3年元旦日の入り」の写真は、真ん中2人のうち右の人物の手前に波がフワーッと漂っているように見えます。ここだけが多重露光のような感じです。なぜ、このようになるのでしょうか?

#6:タイトル「叫び」の写真、とても勉強になりました。以前、龍峰寺で同じような写真を撮ったことがありますが私の場合は、ただ撮っただけでした。事前にどう撮りたいかと、考えて撮った写真と、私の写真の違いがとてもよく分かりました。この写真はまさに叫びです。それと、光の当たる時間帯がとても大事なんですね。有難うございました。

#7:to the #6, タイトル「叫び」の作者です。コメントありがとうございます。小生も「ただ撮っただけの写真」でしたが、時節柄の想いを記しました。「現在の社会情勢を反映するモチーフ」と先生がお汲み取り下さり、作品に深みを与えるお言葉を頂きました。龍峰寺は趣のある空間ですね! 訪れる度にその気遣いに感心させられます。勉強になる被写体、楽しみです。

#8:講師先生へ, ご指導ありがとうございます。先生の仰る通り、三脚を使用しています。富士山は滅多に撮ることができないので、どうしても鮮明な写真を撮りたかったため、レンズが200mmの望遠でもあり、三脚を使いフォーカスブラケットで深度合成撮影をしました。

#9:to the #2, ありがとうございます。そうですね、季節や時間帯に関係すると思います。この写真は去年の12月に清里で撮ったものです。富士山はまだ雪化粧がなく、朝の気温は零下8~9℃でした。私は太陽の光に照らされた富士山の色の変化に魅了され、寒さを忘れて、日の出の前から日が完全に昇り切るまで、夢中で富士山を撮影しました。この写真は、富士山を照らす赤い日光が消え、綺麗な青空が見え始めた頃に撮影しました。「静かな美しさ」は5つの異なる焦点のフォーカスブラケットで深度合成撮影をしたものです。実際に肉眼で見た富士山は霧がもう少し多く、青色ももうちょっと薄く、もっと静かな渋い感じで、それはそれで綺麗でした。

#10:『路上の平均台』の作者です。先生のご指摘のとおりで、私もこの女子を肉眼で追っていた時は足元のステップを見ていました。ところが、ファインダーを覗いた瞬間、笑顔をもらいたくなってしまい、意識が上半身に移ってしまいました。「二兎を追う者...」になりました。女子の笑顔に弱い性格の為せるワザですね、反省!
 #4さんがおっしゃるとおりで、このカットの次の瞬間、この女子は縁石の切れ目を軽くジャンプしました。予想はしていたのですが、周りの歩行者に気を配りながら後ずさりしての撮影だったためか、その瞬間を撮るタイミングがズレてしまいました。街中スナップは、なかなか難しいです。

#11:to the #9, 「静かな美しさ」の作者さん、青富士が撮れた時期と時間帯を教えてくださってありがとうございます。寒い季節に清里まで行って早朝に撮影されたそうで、その熱意に脱帽です。ピントが手前から富士にまでビシッと合っているのは、フォーカスブラケティングという裏技を使われたからなのですね。そういう機能があることすら知りませんでした。残念ながら私のカメラにはその機能はありませんが、新しい知識を仕入れることができて為になりました。

この記事を見た人はこんな記事もチェックしています