海老名からSOS
詳細
海老名の鈴木農園さんから大切な木が枯れてきた,この木を枯らしたくないので何とかならないかと問い合わせがあった。
確認するとまだ一部青い枝があるので助かるかもと一縷の望みをかけて対策することとなった。
幹の根本には大量のフラスが積もり、幹のカシナガ穿入孔も数えきれないほど多く、幹表面と根元はフラスで真っ白でこの木が重症であることが想像される。
対策は令和3年10月18日樹皮浸透薬剤を噴霧後に速やか地面から約3mにストレッチフィルムを巻いて幹をくん蒸した。
噴霧3日経過後の10月21日にストレッチフィルムを剥がすと内部から多数のカシナガの死骸が確認された。
剥がした幹表面には新たなフラスは確認されず、カシナガの多くが駆除されたと推定される。
以上により、このシラカシはナラ枯を防止することが出来たと思える。
今後、鈴木農園さんは定期に新規フラスの確認をし、経過観察を行うこととなった。
幹の地際を清掃後ゴミ袋を利用してくん蒸性能を上げる為の養生を行
う。
令和3年10月18日
樹皮深く浸透する薬剤を噴霧した。
地際は特に念入りに薬剤を噴霧
噴霧後速やかにストレッチフィルムを幹に巻き付け密封することで噴霧した薬剤が樹皮から気化し、その気化ガスがカシナガ穿入孔に侵入し、幹内部の生き残りカシナガを駆除する「生立ち木くん蒸」を実施することとした。
作業完了後記念写真撮影
右が鈴木農園の鈴木さん。
噴霧3日経過後にストレッチフィルムを剥がしたところ、内部から多数のカシナガの死骸を確認した。
ストレッチフィルムを剥がすと燻蒸効果により多数のカシナガと一緒にエビに似た虫「オカトビムシ」が多数捕獲された。
オカトビムシは恐らく樹皮内に潜んでいた為にくん蒸効果により死滅したものと考えられる。
カシナガの成虫と幼虫が穿入孔から飛び出して重なり合い死滅していた。
カシナガの死骸。
穿入孔から飛び出したカシナガは飛び立とうと羽を広げたがストレッチフィルムに邪魔されて飛び出すことが出来ず死滅したものと思われる。
カシナガを中心に多種類の害虫が駆除された。
カシナガと一緒に駆除されたオカトビムシ
駆除されたカシナガ
カシナガ穿入孔から飛び出したカシナガ幼虫、ストレッチフィルムで孔が塞がれているので、この様に山状になっている場合が多い。
穿入孔から飛び出し羽を広げて逃げようとしたがストレッチフィルムに阻まれて死滅したカシナガ
ストレッチフィルムにはこの様に多くのカシナガが張り付いていた。
穿入孔から飛び出し羽を広げて逃げようとしたがストレッチフィルムに阻まれて死滅したカシナガ
穿入孔から飛び出し羽を広げて逃げようとしたがストレッチフィルムに阻まれて死滅したカシナガ
ストレッチフィルム
サランラップと同様に重なった部分が張り付くので、幹にクルクル巻き付けるだけで内部は完全密封され、くん蒸効果が高く作業性が非常に良い。
膜厚は色々あるので、厚い15ミクロン以上を用いる。
根際シート
特に幹の根際はカシナガ穿入密度が高く、対策にあたり重要な個所ですが、形状が凸凹しいる為にそのままではガスのレによるくん蒸複効果が保てない難しい個所で、更にストレッチフィルムを巻けないので別途シートを用意する必要がある。
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