奈良県吉野山のクビアカ被害について
奈良県吉野山のクビアカ被害について
桜の時期になると毎年日本一の桜吉野を思い出し、花見には素晴らしいが、クビアカツヤカミキリ(以下クビアカと言う)。にとっては非常に好都の地形の為に被害を受けなければ良いが、と心配してきたが、とうとう残念な情報が入ってきた。そこで吉野の地形を思い出しながら、クビアカ被害の原因を紐解いでみた。その結果、関東北部の埼玉、群馬、栃木の急激な被害の広がりと同じ原因で、成虫が活動する6~8月関東では、被害起点の草加市からクビアカは太平洋高気圧の季節風に乗って群馬、栃木を目指し、現在も被害が増え続けている。
吉野山のクビアカ被害も、吉野の地形が大きく影響している。
上千本桜は東側斜面で標高約400~600mに位置し、被害場所についての桜を保護・管理する公益財団法人「吉野山保勝会」様のお話では、「花矢倉(はなやぐら)展望台」の周辺や、そこから水分神社へ向かう周辺のサクラ林で2025年10月10日に登山者がクビアカ被害を確認し、吉野町に連絡があった。(朝日新聞2026年4月11日)。
また、吉野山保勝会様は、「駐車場付近などは巡視していたが、いきなり上千本だったので衝撃だった。どうやって入ってきたのか…。と危機感を訴えた。(朝日新聞2025年12月24日付)。
以上、吉野山保勝会様のお話で推定すると、関東の被害と同じく、クビアカ成虫は、吉野町のふもとから、一気に400m以上の高さに飛翔したことになる。この数値はクビアカの飛翔能力1回あたり約20~30メートルをはるかに超えた飛翔である。そこで、前に吉野に行った経験を思い出し、関東での季節風に乗る飛翔と同じく、山岳部特有の上昇気流にのって、一気に上千本迄到達したのではないかと推定する(クビアカは風に乗ると数十キロ移動することが確認されている)。
※上昇気流とは:風速の増幅: 天気予報で平地では「風速5m/s」とされている場合でも、吉野の谷地形では10m/s以上の強風に増幅する可能性がある下記写真でも、7月の上昇気流は10~20m/s以上もの強風が谷底から吹き上げてくることが
予想できる。クビアカはこの風、「上昇気流と紫外線」に乗って、一気に上千本の最も環境の良い場所にやって来たのだ。
上千本地域
朝日が当たりクビアカが最も好む被害地域
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以上、吉野山保勝会様の話で推定すると、関東の被害と同じくクビアカ成虫は、吉野町のふもとから、一気に400m以上の高さに飛翔したことになる。この数値はクビアカの飛翔能力1回のあたり約20~30メートルをはるかに超えた飛翔である。そこで、前に吉野に行った経験を思い出し、関東での飛翔と同じく、山岳部特有の上昇気流にのって、一気に上千本迄到達したのではないかと推定する(クビアカは風に乗ると数十キロ移動することが確認されている)。
※上昇気流とは:風速の増幅: 天気予報で平地では「風速10m/s」とされている場合でも、吉野の谷地形では20~50m/s以上の強風になる可能性がある。
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クビアカ調査では更に上千本は吉野山の東斜面で、朝日が当たり始める場所であり、クビアカは「正の走光性(光に向かって移動する性質)によるもので、上千本は、クビアカが最も好む斜面であることが被害発生の原因と思われる。
吉野町及び吉野山保勝会で調査したところ、10本のヤマザクラが被害を受けていることを確認した。これは全国の国立公園では初めての事例だった(被害木は直径約41cm)としている。
吉野町は対策として桜約400本の根元に薬剤を注入した(朝日新聞2026年4月11日)。
1.朝日新聞で発表した被害発生場所
吉野山のクビアカツヤカミキリ被害は、上千本エリアの主要な見どころである「花矢倉(はなやぐら)展望台」の周辺や、そこから水分神社へ向かう周辺のサクラ林で2025年10月に10本の被害が確認されて、全国の国立公園では初めての事例だった(2026年4月11日 朝日新聞)。
2.対策は樹幹薬剤注入
公益財団法人「吉野山保勝会」様では、樹木内への薬剤注入といった防除処置は1本あたり1万5千円から3万円ほどの費用がかさみ苦慮しているという。(産経新聞2025/11/28日付)
上千本のヤマザクラの古木(直径41センチ)に被害があった。
発見したのは2025年10月10日、散策していた人から町に、虫が排出する「フラス」(木くずとフン)が根元にあると通報があった(読売新聞2025/10/25)。
被害地の場所上千本は東斜面で朝日がいち早く当たる月数回巡回していたとする駐車場
3.被害現地調査は令和3年5月13日より実施 クビアカ 130 本余り実施。
7月15日クビアカ調査・桜の番号札付け・打ち合わせ。
8月19日 クビアカ調査・巡視活動(異常なし)
9月15日 クビアカ調査・巡視活動(異常なし)
令和5年も同様調査実施
6月30日 クビアカツヤカミキリ現地調査 130 本余り(異常なし)
7月31日 クビアカツヤカミキリ現地調査 130 本余り(異常なし)
以下、毎年同様の調査実施
4.被害場所の地形
被害地は地形吉野山をバックとする東斜面であることが分かった。
① 地形的被害要因:吉野山は南北に伸びる尾根であり、上千本は金峯山寺(きんぷせんじ)を中心とした東側の斜面に位置 しており、最も早く朝日がさす場所でクビアカのターゲットにされたもよう。
クビアカのターゲットにされた場所(トイレ付近)![]()
5.一般で言われている固定観念がクビアカの侵入を許したのでは
クビアカは車等に付着して思わぬ場所に被害を与えると言う情報が目につくが為に、吉野市も千本駐車場周辺の桜を重点調査していたとする( (朝日新聞2025年12月24日付)が、クビアカの生態、行動パターンを知っていたなら、今回のような間違いは無かったのではないか。
クビアカの生態と行動パターン
①クビアカは正の走光性(光に向かって移動する性質)によって朝日が最初に指す東側斜面に位置する桜が最初に被害を 受け、それから平面に拡散して行く。
②クビアカ被害は一般の風は勿論、季節風、上昇気流が発生する地域は、それを予測し事前対策をとることが重要。
③河川等はビル等の障害物ないために、クビアカの遡上能力が上がり、長距離に移動できると同時に、桜並木が多く、クビアカにとってこの上ない都合の良い場所となっている。
④街路灯、コンビニ等は「正の走行性」によりクビアカを光により寄せ集め、近くに桜、桃等のバラ科樹木があれば、その最上部に飛び降り、交尾産卵することで街路灯近くの植栽木は、被害を拡大して行く。
対策として、街路灯でクビアカを集め、その場所の桜の木にクビアカトラップを設置して、根こそぎ駆除する等最新の注意、対策をしなければならない。
⑤高速道路の周辺、及びサービスエリアは、河川と同様の効果がある為にクビアカ被害を受けすいので注意が必要である。
※街路灯に向けてクビアカは正の走が光性(光に向かって移動する性質)被害を受けやすい易い(下記写真)
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5.この報告書を纏めた経緯
今回、この調査報告書を纏めた経緯は、是が非でも吉野の桜を守りたい。少しでも多くの方々にクビアカの生態・行動パターンを知って頂き、急拡大しているクビアカ被害を根絶したい思いで纏めた。
以上
この情報は、「座間安全・安心推進会」により登録されました。