クビアカツヤカミキリ樹内幼虫駆除法
1.何故クビアカツヤカミキリ被害が拡大し続けているのか
現在の対策方法は、①刺殺・②掘り取り、③ネット巻、④薬剤噴霧、⑤樹幹注入、⑥伐採等です。
しかし、これらの対策は写真の赤〇内(心材)に潜む幼虫、蛹を駆除することは困難なこともあり、被害が拡大し続けている原因となっている。 👇
対策方法 ①の刺殺について、成虫は樹から脱出後直ぐ交尾産卵するので、産卵後に刺殺しても効果が限られる。
②掘り取りについて、フラス排出孔数が多くなった状態での掘り取りは、幹の広範囲にダメージを与えることで、腐朽菌等の感染及び通水機能破壊による枯死に繋がる為に、良作とは言えない。
③ネット巻について、樹内成虫の拡散防止、外部の成虫産卵防止の効果を期待したものである。しかし実情は、ネット巻した樹上部に産卵してしまい、かえって被害が増えるものが散見される。又、ネットがある為に産卵できない外部からの飛来成虫は、次の健康な木を目指し産卵するので、ネット巻した木は守れたと仮定しても、その期待した効果は得られない。
④薬剤噴霧について、最近は浸透性が優れた薬剤が開発され、比較的若木には効果が表れているが、被害が多く発生する老木は太く、辺材に潜む幼虫にすら薬剤が届かない。その為に効果が限られる。また、成虫が最も多く活動するのは梅雨時の為に薬剤が洗い流され効果期間が短くなる為に複数回噴霧作業が必要となる。
⑤の樹幹注入について、辺材の通水機能を利用した駆除方法であり、心材に潜む幼虫、蛹には全く効果がない。又、特に老木は樹形等通水機能が一定でない為に、辺材に潜む幼虫に対しても効果が薄れる。
ドリルであけた注入口から腐朽菌等が進入し、樹木へのダメージが高くなる為に適切ではない。
複数年に渡る注入作業は、樹木への悪影響が高くなるので実施すべきでない。
尚、樹幹薬剤注入は材料費、施工費が高価な為に費用対効果が低く、更に果樹等には適用できないことは地域対策として致命的である。
⑥伐採について、本クビアカツヤカミキリの幼虫等が港での検疫時発見された場合、及び上陸初期に周囲の関係樹木を予防伐採することは有益であるが、現状の被害拡大状態になってからでは無意味であり、選択すべき項目ではない。
2.クビアカツヤカミキリ被害を根絶する為には
クビアカツヤカミキリの被害を防ぐには、樹内の幼虫、蛹、成虫全てを駆除し、被害を発生させている病原を取り除かない限り解決できない。
現状の対策①~⑥全て実施したとしても、現状では樹の心材に潜む幼虫、蛹、成虫を駆除できない為に、クビアカツヤカミキリ被害を低減又は根絶することは不可能である。
3.クビアカツヤカミキリ被害を根絶する為には
クビアカツヤカミキリ被害を根絶するには、国及び県、市民と一体となり根絶に向かい取り組むことが重要で、そのツールは下記4.項「クビアカツヤカミキリの生態を利用した樹内幼虫駆除」しかない。
4.生態を利用した樹内幼虫駆除とは
樹内幼虫の行動パターン(フラス排出孔を明けた幼虫は、排出孔を利用して頻繁に頭でフラスを押し出しています)。この、頻繁に排出孔に現れるクビアカの生態(行動パターン)を利用した駆除である。
幼虫の行動パターン ①
フラス排出孔を明けた幼虫は、頻繁に排出孔からフラスを排出し続けます。
幼虫の行動パターン ②
フラス排出孔に4~5㎜程度ウエスを挿入し、フラス排出孔に登録された薬剤エアゾールを充分噴霧後に、ウエスを木栓で固定すると、フラスを排出できなくなった幼虫はウエス及び木栓を噛み切り除去することで、基のフラス孔に戻し、フラスを排出しようとする行動をとる。
幼虫の行動パターン ③
※エアゾール薬剤を噴霧したウエスを噛んだ幼虫は駆除される。
※エアゾール薬剤は、クビアカツヤカミキリ駆除用登録薬剤を使用します。 (ロビンフッドエアゾール又はベニカカミキリムシエアゾール)
5.樹内に潜むクビアカツヤカミキリ幼虫の駆除実績
生態を利用した樹内幼虫駆除、調査対策地域において、2024年合計本数399本中110本の桜がクビアカツヤカミキリ被害に合い(感染率28%)、被害樹木全ての対策を実施し、約100%のクビアカツヤカミキリ被害を防止できた。
問い合わせ先 座間安全・安心推進会 代表 小林 覚 mail:z7y5sa@bma.biglobe.ne.jp
Meil QRコード
以上
この情報は、「座間安全・安心推進会」により登録されました。