ナラ枯れ予防対策によりナラ枯れゼロを達成致しました
令和4年度、座間市芹沢公園のナラ枯本数を根株くん蒸数から数えて見ると50本以上の枯死を確認した。
令和5年は樹幹被覆及びペットボトルトラップの設置によりナラ枯れ0を目指した。
その結果、ボランティアさんのご協力で芹沢公園では110本のペットボトルトラップを設置して、設置木のナラ枯れ枯死木は0本でした(トラップ未設置木2本は枯れた)。
※ 民有林は4ヶ所108本の対策を実施、2本のナラ枯(樹幹被覆)を確認した。
枯れた原因は7.8項に記す。
1.ナラ枯予防対策内訳
被覆資材 (10月15日現在)
芹沢公園、座間公園、立野台公園 計77本(公園緑政課実施20本含む)
ペットボトル抱き抱え方式 カシナガトラップ (10月15日現在)
芹沢公園 110本
座間公園 9本
立野台公園 3本
計122本 (他、県立座間谷戸山公園に34本設置)
2.ペットボトル抱き抱え方式(カシナガトラップ)の特徴
下記写真は芹沢公園のシラカシ大径木、トラップ長さは6mにも及ぶシラカシは高所迄カシナガの影響を受けるので、ロングトラップ設置が必要となる。本トラップは座間安全・安心推進会独自の抱き抱え方式トラップで、複雑形状の樹に密着し設置でき、捕獲効率が高く、ロングトラップにも対応できる等々、他にない多くの特徴を有している。
3.抱き抱え方式ペットボトルトラップの原理
4.ナラ枯れ予知シートの活用
ナラ枯れ予知シートで確認されたカシナガ
この木はマスアタック(カシナガによる集中攻撃)を受け、ナラ枯が予想された為にトラップを2本設置した結果ナラ枯を防げた(小さい虫がカシナガです)。
捕獲されたカシナガ成虫(トラップ2本分)
5.ツマヨウジによりマスアタックを撃退すると共にナラ枯れ論文の間違いを確認した
写真:マスアタックを受けたシラカシ
ツマヨウジの数は840本、その内の20%約168孔が2mmの成虫穿入孔で残り約80%が幼虫によるフラス(木くずと糞が混ざったもの)排出孔である。
これだけの過酷な状態でもこの木は枯死せず健全な状態を保っている。
先ず、カシナガ成虫孔約2mmにツマヨウジ先端に(※注意)薬剤スミパインを浸透させ差し込み、その後再度塗料を噴霧して確認したところ、成虫2mmの穿入孔周囲には約0.5㎜の幼虫フラス排出孔が無数確認され、この0.2㎜の孔からはソウメン状のフラスが、次から々と絞り出されていることを確認できた。
0.2㎜の孔は星の数程あるので、地際に積もったフラスはこの幼虫が樹内から開けたフラス専用孔から排出され、顆粒状に積もったことが分かった。
次に同じく、この幼虫孔にツマヨウジ(先端を薬剤を染み込ませた)を差し込むと、ツマヨウジパック2個分 約894本 差し込み確認したところ約80%が0.5㎜の幼虫用のフラス排出孔だった。
注意 ※ツマヨウジ先端に薬剤を染み込ませないと、先端を食べられ、ツマヨウジは樹外に落下してしまい、調査不能となる(下記写真)。
薬剤スミパインを浸み込ませて挿入するとツマヨウジは落下しない。先端をかじったカシナガは死んでしまったと思われる(下記写真)。
多くの論文には大量のフラスは「カシナガ成虫の穿入孔約2㎜から排出される」と書いてあります。
同じく論文にはカシナガの親が生んだ卵は数百個に及ぶとしています。
フラスは成虫が 穿孔時出すフラス(繊維状)と、その幼虫長男 長女が出すフラス(ダンゴ状)と幼虫 次男 次女が出すフラス(粉状)があり、カシナガ長男 長女が次男 次女の世話を行い、次男 次女は孫を育てる大家族で樹内で生活している。
このようにしてカシナガは大家族化して樹内で生活する為に、長男は次男の生活する個室を作る為にセッセと樹内坑道を掘り進む。
ここで疑問となるが、これら数百頭にも及ぶ幼虫が坑道や部屋造りで出たフラスは論文で言う親成虫が掘った穿入孔1本2mmだけで足りるのでしょうか。
論文は間違っているのではないか。
疑問を確認する為に、比較的綺麗なシラカシの木肌にブラウンの塗料を噴霧してカシナガ幼虫の活動を見える化して、フラス排出状況を確認してみた。
先ず、カシナガ成虫孔約2mmにツマヨウジ先端に(※印参照)薬剤スミパインを浸透させ差し込み、その後再度塗料を噴霧して確認したところ、2mmの穿入孔周囲には約0.5㎜の幼虫孔が無数確認され、この0.2㎜の孔からはソウメン状のフラスが次から次と絞り出されていることを確認できた。
0.2㎜の孔は星の数程あるので、地際に積もったフラスはこの幼虫が樹内から開けたフラス排出専用孔0.5㎜から押し出され、顆粒状折れ積もったことが確認できた。
同じく論文にはカシナガの親が生んだ卵は数百個に及ぶと書いてあります。
フラス(木くず)は親成虫が 樹穿孔時に出すフラス(繊維状)とその幼虫長男 長女が出すフラス(ダンゴ状)と幼虫次男 次女が出すフラス(粉状)があり、カシナガ長男 長女が次男 次女の世話を行い、次男 次女は孫を育てる大家族で樹内で生活している。
このようにしてカシナガは大家族化して樹内で生活する為に、長男は次男の個室を作る為にセッセと坑道を掘り進みます。
下記写真 赤〇ガ幼虫フラス排出孔約0.5mmが多数確認できる
赤丸内の白いソウメン状の物は幼虫が絞る出したフラスで、このフラスは排出都度折れ顆粒状に樹の根元に積る。
赤丸は全て幼虫フラス排出孔である
6.カシナガ幼虫がフラス排出状況を確認する為に樹にフィルムを巻いて観察した。
下記写真右上の糸は太さ1.3㎜、カシナガ幼虫の坑道お約0.5㎜が如何に細いか分かる。
これによりカシナガ成虫穿入孔と幼虫の活動孔は異なる事が分かった
7.令和5年度の反省
ナラ枯れ予防対策は5月末迄に完了させることが重要
今年も5月末を目標に実施して来たが全て実施出来ず、未実施の木にマスアタックを受けて2本枯れてしまった。
6月に入ってからでは後手にまわり、大変な思いをする事になります。
なら枯れ予防対策はカシナガが活動する前に完了させておくことが重要です。
8.GL高さ2m以上にも対策を施すことが必要である
樹幹被覆等高さ2mを基準としているが、これでは不完全である事が分かった。
しかし、2m以上となると、作業効率が非常に悪い。
そこで、樹幹被覆GL+2mが不足している場合はその上に、カシナガトラップを3m、4m.4m以上と樹木に応じて設置する事で解決することが分かった。
以上
この情報は、「座間安全・安心推進会」により登録されました。