防虫剤+スミパインくん蒸効果が確認された
穿入生存木内のカシナガ駆除は、防虫剤によるくん蒸効果が有効であることが確認されているが、マスアタックを受け、既に通水障害が発生している場合防虫剤くん蒸を行ったとしても手遅れの場合がある。
しかし、手遅れにより枯死してしまったとしても枯死木内部のカシナガは防虫剤によるくん蒸により死滅しているのではないか。
今回、このくん蒸効果を確認するために、ナラ枯木の根株を割って内部の状況を確認した結果、成虫は見当たらず、幼虫も死滅していたことが確認できた。
写真1(撮影2023年4月26日) 2022年7月16日にマスアタックによるくん蒸対策実施、2023年4月25日根株内部を割って確認したところ成虫は見当たらず、幼虫も死滅していた。
卵から孵化後まもなく死滅したものと思われれ防虫剤くん蒸効果が確認された。
写真2(撮影2021年11月3日)
スミパイン噴霧のみの場合、樹内部の多くのカシナガは死滅していないことが確認されている。
写真3(撮影2023年4月22日)
ナラ枯根株 赤丸印の個所をサンプル切断し、内部のカシナガ確認を実施した(写真1)
経過 昨年(2022年)7月、シラカシ 保有者からのご連絡によりナラ枯対策(薬剤スミパイン、防虫剤による燻蒸)を7月16日実施した。
しかし、対策後1ヵ月も経たずに枯れてしまった。
枯れ原因は、対策時には既に樹内奥深くカシナガが穿入し、ナラ菌による通水障害が起きていた為と思われる。
以上により、根株内部のカシナガは死滅しており、防虫剤を用いたくん蒸は有効であることが実証された。
又、防虫剤を用いて枯死木、穿入生存木内のカシナガ駆除も、6ヵ月以上のくん蒸を行うことで駆除できることも分かった。
防虫剤は安価で扱いが容易のため、穿入生存木等の予防対策に多用できるものと思われる。
以上
この情報は、「座間安全・安心推進会」により登録されました。